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メイド・イン・美濃 そして世界へ(丸新製陶㈲)

今回のイチオシ事例は

 

1300年の歴史がある日本有数の焼き物の産地、岐阜県土岐市駄知で
その時代の生活スタイルに合った陶磁器を生産し続けている
美濃焼のメーカー『丸新製陶有限会社』さんです。

 

皆様、こんにちは。
支援専門員の野村昌史(のむらまさふみ)です。

 

今回は、江戸時代末期に名品「亀吉どんぶり」を生み出した
塚本亀吉にルーツを持つ窯元で、メイド・イン・美濃のブランドを
世界に向けて提供し続けている事例を紹介させて頂きます。

 

伝統や文化を大切にしながら時代の変化やお客様のニーズに変化に合わせて
革新に挑戦し続けてきた姿から新たな気づきを得られると思います。

 

丸新製陶有限会社について

 

1949年 創業(法人化)
当社は、1300年の歴史がある日本有数の焼き物の産地、岐阜県土岐市駄知において江戸時代末期に名品「亀吉どんぶり」を生み出した塚本亀吉にルーツを持つ窯元で、現在は塚本亀吉から数えて五代目にあたる塚本誠吾が代表取締役を務めています。

 

創業以来、丼や小鉢等の和物食器を中心に生産してきましたが、和食以外の食事が増加するなど、食のライフスタイルが多様化していったことや、国内陶磁器市場そのものが縮小したこともあり、同業他社との競争が激化していました。

 

このような状況から脱却するため、1990年代に思い切った業態転換を図りました。主力製品の和物食器を減らし、代わりにカップやソーサー、ポットなどの洋食器を増やしていったのです。

 

当時の取引先で洋食器を扱うところはなかったため、新規の販売先を1から開拓していくことになりましたが、和物食器の製造で培った確かな技術力に裏打ちされた商品が徐々に認められ、現在ではFrancfrancやロフト、東急ハンズ、アフタヌーンティーなどの大手都市型雑貨店を中心に全国の中小雑貨店でも取り扱って頂けるようになっています。

 

求められたのは“早さ”と“オリジナル”

 

少子高齢化や人口の減少といった社会的な要因に加え、インターネットで個人が何でも検索できる状況となったことにより、従来のように『大量に生産した“同じもの”を大量に販売できる』ということは無くなり、一つのヒット商品を消費者がこぞって購入するという状況はほとんどなくなりました。

 

消費者ニーズが目まぐるしく変化し、製品ライフサイクルが短くなる中で、当社の取引先である都市型雑貨店から求められたのは色や大きさのバリエーションが豊富なオリジナル商品を小ロットかつ短納期で発注できることでした。

 

当社の顧客は雑貨店であり、食器専門店ではありません。雑貨店ではメインアイテムであるファッションやブランドを展開しつつ、ライフスタイルの一部として食器などの雑貨を提案するといったお店が増えています。

 

つまり、メインアイテムが四季に合わせて商品展開するアパレル商品であれば、この商品展開に合わせて陶磁器も新商品を投入していくということになるのです。

 

顧客ニーズの整理

 

こういった消費者ニーズの変化に伴う取引先からの要求に応えるためには、これまで以上に迅速な企画開発と小ロット・短納期生産を実現する生産体制を構築する必要がありました。

 

取引先ニーズに応える生産体制の実現に向けて

 

当社はこれまで取引先からの要求の変化に柔軟に対応することで成長してきました。前述のとおり、消費者ニーズの変化に伴って変化した取引先の要求は“早さ”と“オリジナル性”です。この2つに応えつつ、これまで通りの高い品質と低コストを維持するためには、社内の複数部門が連携して体制づくりに臨むことはもちろん、作業工程の見直しを伴ういくつかの課題をクリアする必要がありました。

 

【クリアすべき課題】

◆ボトルネックである素焼き工程の生産効率向上

◆試作品やリピート品など短納期品の急な割込みに対応すること

◆短納期品の品質維持

 

当社が使用していた素焼き窯は、和物食器の生産に適したものであり、洋食器の生産には適していませんでした。それでも、24時間という長い時間をかけて素焼きをすることで何とか生産してきましたが、今回の取引先のニーズに応えるためにはこの時間の短縮が必須でした。

 

これまで取引先から選ばれる理由となっていた高い品質を維持したまま、取引先のニーズに応える生産体制を構築するためには、これらの課題をクリアしなければならないため、平成29年度補正ものづくり補助金を活用して2つの設備を導入しました。

 

▶2㎥試作素焼炉◀

試作開発用の小窯。窯内面積が小さく、窯内温度の調整を短時間で実現可能であり、燃焼効率も高く、ガスの使用量減少によるコスト削減も見込むことが出来る。

 

▶3㎥台車式素焼炉◀

リピート品の生産に対応するロット生産用の通常窯。当社が24時間かけて行っている素焼き工程を16時間に短縮する能力を持つ素焼炉。こちらもガスの燃焼効率が高く、ガス使用量減少によるコスト削減を見込むことが出来る。

 

取組の成果

 

今回の取組みで、試作品の生産専用窯とロット品生産用の窯をそれぞれ導入したことで、ロット生産と試作の別ライン化を実現することが出来ました。これにより、急な試作依頼や少量の短納期注文が入った場合でも量産ラインに割り込むことなく連続生産することが可能になりました。

 

また、洋食器に適した窯での生産になったことによって、これまで窯内に40%程度存在していた無駄な隙間が10%未満とほとんどなくなり、生産効率が飛躍的に向上しました。隙間が少なくなったことで窯内温度を均一に保つことが出来るようになり、炉内の急激な温度変化による冷め割れ等の不良発生率を抑えることに成功しました。不良率は、設備導入前の平均20%前後から1%まで減少しています。

 

さらに、ロット品の生産においてボトルネックとなっていた素焼き時間が24時間から16時間に削減されたことで、製品の生産リードタイムを4日から3日に削減することが出来ました。

 

今回導入した2つの窯は、共にガスの燃焼効率に優れたものであり、1日当たりのガス使用量が228kgから78kgとおよそ1/3にまで削減でき、作業時間の短縮に加えて大きなコスト削減効果を得ることが出来ました。

 

今回の取組みによって、当初抱えていたすべての課題が解消され、取引先ニーズであった“早さ”と“オリジナル性”の両方に応える生産体制が実現しました。

 

現在では、この取組みを取引先に十分PRしてきたことで、当初想定していた以上の注文を頂けており、ありがたいことに導入した窯のキャパを超えるような状態となっています。

 

OEMのご案内

 

丸新製陶のこれから

 

今回の取り組みによって、取引先から求められていた“高い品質を維持したままオリジナリティと短納期を実現できる生産体制”を構築することが出来ました。取引先ごとに異なる細かなニーズにも柔軟に対応できるようになったことで、これまで以上に選ばれる企業へと成長できたと実感しています。

 

今後は、個人のお客様に直接商品をお届けするD2Cにも力を入れていきたいと考えており、Instagramを通じた情報発信に力を入れています。

 

Instagram

 

ECサイト

当社は、これまで『お客様のニーズに応える』ことで成長してきました。

 

個人のお客様への販売においても、これを大切にしたいと考えているため、現在外部の協力会社に依頼している『梱包』『出荷』工程を内製化し、お客様一人一人の希望に合わせたラッピング等にも対応していく体制づくりをしていきます。

 

その他、地域への貢献活動の一環として、2020年~2021年にかけて「どんぶり生産量日本一の里」岐阜県土岐市駄知の原点でもあり、当社創業者でもある塚本 亀吉が創作した「亀吉どんぶり」を現代に蘇らせるクラウドファンディングにも挑戦しました。1300年の歴史を誇る美濃焼ならではの魅力や奥深さを知って頂き、多彩な陶磁器の歴史や文化に触れて頂く契機とすることを目指しました。

 

クラウドファンディングページ

 

当社スタッフブログ

 

 

 

生産量日本一を誇る美濃焼の伝統や文化を受け継ぎ、
土や釉薬や、炎と語りながら、
これからのライフシーンと調和する陶器の新しい世界を描く。

 

その信念のもと、これからも技術に磨きをかけ、新しい感性で革新を試みる企業であり続けます。

 

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