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新事業でピンチをチャンスに!((株)コムズ)

今回のイチオシ事例は

 

『社員の幸せ お客様の幸せ 取引先の幸せ 地域の幸せを実現します。』

という理念のもと、自由な発想で次々と新しいことに挑戦し続ける

株式会社コムズ」さんです。

 

 

皆様、こんにちは。

支援専門員の野村 昌史(のむら まさふみ)です。

 

今月は、コロナ禍だからこそ読んで頂きたい

挑戦によって危機を乗り越えた

イチオシ事例を紹介させて頂きます。

気づきがあったら、すぐに取り入れてみて下さいね。

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<株式会社コムズのこれまで>

 

昭和8年 金山印刷所を創業。金山町唯一の印刷会社として活版印刷を行い、金山町役場をはじめとする近隣町村の官公庁の印刷物を中心に営業エリアを拡大しました。

 

創業から82年に亘って、下呂市金山町にて地域の行政を印刷物で支えながら事業を発展させてきましたが、「平成の大合併」を契機に行政からの受注が激減し、印刷需要そのものが減少したことも相まって厳しい状況が続きました。

 

転機が訪れたのは平成24年。地域活性化支援のため、お土産のパッケージデザインを始めたことが功を奏し、当社にお土産のオリジナルデザインを依頼する声が増えました。

 

これをチャンスと捉え、印刷にとらわれることなく、事業展開の無限の可能性に挑戦するために2015年社名を「株式会社コムズ」に変更することを決断。単なる印刷会社ではなく、企画やマーケティングを業務の中心とする会社としてリスタートしました。

 

社会の構造が変化するのに伴い、官公庁中心の仕事から民間の企業中心の仕事へ、待ちの営業から提案の営業へ、お客様からの請負の仕事から自らが創造する仕事へと、業務内容が大きく変化しています。

 

単に印刷だけをする会社から脱却し、展示会サポート事業やお土産の企画販売事業なども立ち上げ、ハード・ソフトも共に幅広く展開しています。

 

<チャンスを掴め!新市場への挑戦>

お土産のパッケージデザインをきっかけに、オリジナルデザイン事業に本格的に乗り出した当社は、事業の拡大を目指して新たな市場への参入に挑戦します。

 

新市場として選択したのは「アニメ」。

 

知人の会社と連携して取り組んだアニメ関連商品が好評となり、アニメキャラクターを活用したパッケージデザインの依頼が増加し始めたのです。

 

けれど、この挑戦は決して平易なものではありませんでした。

 

アニメは公開期間が短く、1クール3か月程度の公開期間中にグッズ化できなければ売れ行きに影響するという水ものです。さらに、アニメグッズを購入するファンは、キャラクターに対する思い入れが強いため、高い再現性が求められたのです。

 

<課題をクリアし、お客様に喜びを>

アニメ関連商品を手掛けていくためには、お客様が求める高い品質に加えて、いくつかの課題をクリアする必要がありました。

 

【クリアすべき課題】

◆キャラクターを忠実に表現する色の再現性向上

◆非鉄金属や樹脂など、多種多様な媒体への印刷加工技術の確立

◆複雑形状カットの内製化による短納期対応

◆印刷可能サイズの拡張

◆多品種小ロットでの製品制作対応

 

これらの課題に対応するため、平成29年度補正ものづくり補助金を活用してA2サイズ6色インクジェットプリンタとA2サイズカッティングプロッターを導入すると同時に、社内マニュアルを作成し、作業可能者を教育する社内講習会を実施しました。

 

 

 

▶A2サイズ6色インクジェットプリンタ(UJF-6042MkⅡ)◀

 

樹脂系素材をはじめ、ガラスや金属、表面加工が施されている素材への印刷が可能であり、かつ通常の4色インクではなく、6色インクを搭載したプリンタ。平面だけでなく、立体形状への印刷も可能であることから、各種課題を解消し、高品質のグッズ製作が可能となります。

 

▶A2サイズカッティングプロッター(FCX4000-50 ES)◀

自動トンボ読み取り機能を有し、バーコード読み取りによる加工データが可能なプロッター。手作業では難しい複雑形状のカッティングを自動的に実施し、PC作業に不慣れな従業員でも操作可能な設備であるため、グッズ製作におけるカッティング作業の内製化を実現可能です。

 

さらに、今回の事業では、設備を導入するだけでなく、人為的なミスによる資源や時間のロスを削減するため、設備に付属する取扱説明書だけでなく社内マニュアルを作成し、これを活用した社内講習会を実施しました。

 

 

<どんな成果を得られたのか>

技術的な課題を解消する2つの設備を導入したことによりアニメキャラクターの繊細な色合いを忠実に再現することが可能となりました。また、様々な媒体への印刷が可能となったことで、お客様の要望に柔軟に答えられる体制の構築を実現しました。

 

さらに、手順書に基づく数値の自動入力を実現したことにより、人的なミスが無くなり、完全な内製化を実現できたことも大きな成果といえます。

 

今回の取組みで、技術面以外の課題であったロット数や納期について、最低ロットは1個から短納期で対応可能となりました。これにより、人気アニメの放送期間中にオリジナル商品を販売することができ、より多くのお客様からの相談に対応できる体制が整いました。

 

これらの課題が解消されたことで、これまで断っていた案件にも対応することが可能となり、事業の立ち上げから3年という短期間で、年間取扱アイテム数で400点、取扱アイテム総数では1,000点以上と右肩上がりに成長できています。

 

<株式会社コムズのこれから>

今回の取組みによって、オリジナルデザイン事業という当社の新たな挑戦に、アニメグッズ製作という大きな武器を手に入れることができました。印刷×オリジナルデザインを当社の強みとして活かすことで、より多くのお客様に喜んで頂ける製品づくりを継続していきます。

 

現在、事業立上げ当初から都市部のアニメショップが主体であった販売経路について、取引先のネット通販サイトを介して全国に拡大することができています。さらに、当社オリジナルで公式通販サイト「comstore」を立上げ、アニメグッズに限定せず、フードロス削減を意識した商品やコスメ販売を開始するなど、順調に事業を拡大できています。

 

当社はこれからも、ひとつの事業にとらわれることなく、自由な発想で次々と新しいことに挑戦し続ける会社であり続けます。そして企業や地域が抱えるさまざまな課題を共に解決していける企業をめざします。

これまでの製造業の新規開拓に関する課題解決はもちろん、少子高齢化に伴い地域就業者の増加を目指した取り組みや、地域経済の活性化に関わる事業など、今までのさまざまな経験を基に、幅広い事業に取り組んでまいります。。

 

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