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DX戦略研究会(第2回企業視察)を開催しました
令和3年10月25日(月)、26日(火)に「DX戦略研究会」(第2回 企業視察)を開催しました。
DX戦略研究会は、“ものづくり現場におけるDX”をテーマとし、セミナー、現場視察とワークショップを行いながら、参加者相互で自社のDX実現を学ぶことを目的としております。
今回、第2回目の企業視察は、DX(IT/IoT・AI)活用の理解度を深めるため、参加者(13名)は解決したい自社の課題に合わせて視察コースを選択し、実際にIoT等を活用して成果を挙げている現場を視察しました。
1.日 時 【Aコース】令和3年10月25日(月)13:30~15:30
【Bコース】 〃 26日(火)10:00~12:00
【Cコース】 〃 26日(火)13:30~15:30
2.開催場所 【Aコース】ワイ・ケー・ピー工業株式会社(中津川市)
【Bコース】豊桑産業株式会社(各務原市)
【Cコース】株式会社大野ナイフ製作所(関市)
3.講 師 コンサルティングファーム ベレーベント 代表 山崎 隆 氏
4.アドバイザー ㈲トリガーデバイス 取締役社長 佐藤忠彦 氏
【Aコース】 ワイ・ケー・ピー工業株式会社
始めに可児社長様よりごあいさつをいただき、総務課 伊藤様より会社紹介後、品質・工程改善BR室 伊佐次室長様から、DXの取り組み概要(自社開発の背景、成形IoTシステム全体像、IoT導入の成果など)について説明をいただきました。
<取組内容>
「自社開発IoT活用による射出成型機等の現場管理の改善」
<特 徴>
成形工場内にある全31台の設備に I o T を導入し、設備の監視・保守・制御・分析が可能となり、リアルな情報共有と社内体制が強化となった。これにより、ポカミス低減、段取り時間短縮などを達成。
その後、伊佐次室長様よりご説明をいただきながら、成形工場内に設置されたIoT化の取り組みを視察。
参加者は熱心にメモを取る姿が見られました。
現場視察後、伊佐次室長様より“導入経緯、導入効果、活用方法、運用体制、苦労話など”をご説明いただき、参加者のIoT等の導入・活用イメージ、ヒントが得られるような意見交換を行ないました。
意見交換の中で、伊佐次室長様より、「現場がいかに楽にできるのか、ポカミスをなくし現場が元気になるようにという考え方にシフトし、困りごとに手を打ってあげられるように進めている」とのお話がありました。
また、最後にこれからDXに取り組む参加者に対し、「社内である程度知識のあるIT人材を確保してからスタートし、その人材を社内教育で育てていくと良い」とのアドバイスをいただきました。
【Bコース】 豊桑産業株式会社
常務取締役 宇佐美様より、会社紹介後、デジタル技術の取り組み概要(取組の背景、デジタル化の取り組み、成果など)について説明をいただきました。
<取組内容>
「加工のデジタル化による工程改善」
<特 徴>
製造のデジタル化を目指し、あらゆる情報を使用可能な情報にデジタル化。
これにより、あらゆる業務(生産計画、加工プログラム、加工、塗装、梱包、出荷など)が手動から自動化に工程改善され、歩留まり率が向上。
その後、宇佐美常務様よりご説明を受けながら、参加者は加工のデジタル化された工場内を視察。
また、参加者は工場内が非常に綺麗なことに驚きました。
現場視察後、織田社長様、織田副社長様、宇佐美常務様より“導入経緯、導入効果、活用方法、運用体制、苦労話など”をご説明いただき、参加者のDX導入・活用イメージ、ヒントが得られるような意見交換を行ないました。
意見交換の中で、参加者からは「デジタル化にして良かったと思うところ」の質問に対し、織田社長様は「工程内不良の減少、歩留まり率が向上した他、社員の意識が変わり、デジタル化の視点でモノを言うようになり、昔ならではの感覚的な曖昧さが無くなった」とのお話がありました。
また、織田副社長様からは「工程がデジタル化・システム化されたことにより、従業員の疲労感が少なくなった」など、生産性向上だけでなく、働き手にとってのメリット感も大きいとのお話もありました。
【Cコース】 株式会社大野ナイフ製作所
始めに大野社長様よりごあいさつをいただいた後、IoT推進チーム 佐藤部長様より会社紹介、DXの取り組み概要(取組背景、システム化の効果、取組成果、今後の展開など)について説明をいただきました。
<取組内容>
「IOT 活用によるボトルネック工程の見える化」
<特 徴>
最大150 に及ぶ高級包丁生産工程をIoT 活用により「見える化」に成功。現場でのリアルタイムな進捗情報を共有、管理できるようになった。その成果として、ボトルネック工程を早期に発見でき、PDCA 改善活動を 行ったことにより、生産効率が上昇し、残業時間削減に成功。
その後、佐藤部長様よりご説明を受けながら、参加者はボトルネック工程が見える化された工場内を視察しました。
現場視察後、大野社長様、佐藤部長様より“導入経緯、導入効果、活用方法、運用体制、苦労話など”をご説明いただき、参加者のDX導入・活用イメージ、ヒントが得られるような意見交換を行ないました。
意見交換の中で、佐藤部長様より、DX取り組み成果として、「ボトル工程の見える化に成功し、PDCA改善活動をスピーディーにできるようになった」、また、「見える化による社員のモチベーションが向上した」とのお話がありました。
また大野社長様より、「IoT推進チームを社内のみで立ち上げた。ハードルが高く感じるが、システムの継続的な運用には欠かせない」とのお話がありました。
終了後、参加者からのアンケートでは「実際に製造現場でどんな事が出来ているのか見学でき、社内への展開もイメージすることが出来た」、「DXといっても結局は活用できていなければただのデータになる為、今回視察させていただき大きな収穫になった」など、今回の企業視察に参加したことで、DX導入・活用イメージに繋がったとの意見が見られました。
コロナ禍でありながら、視察受入れにご協力いただきましたワイ・ケー・ピー工業㈱様、豊桑産業㈱様、㈱大野ナイフ製作所様、ありがとうございました。
次回(第3回目)はワークショップを行い、自社のDX実現に向けて、課題抽出と目標設定、DX活用による課題解決策について検討を行う予定です。