令和３年１１月５日（金）に「DX戦略研究会」（第３回　ワークショップ）を開催しました。

　DX戦略研究会は、“ものづくり現場におけるDX”をテーマとし、セミナー、現場視察とワークショップを行いながら、参加者相互で自社のDX実現を学ぶことを目的としております。

　今回のワークショップには、講師にコンサルティングファーム　ベレーベント　代表　山崎　隆　様、アドバイザーとして有限会社トリガーデバイス　佐藤社長様をお招きし、「DX活用の可能性を考える」をテーマにご講演いただいた他、グループワークにおいて課題抽出と目標設定、DX活用にる課題解決策などを検討しました。

　講演では、山崎講師より、最新のＩｏＴ／ＡＩ事例やデータ活用の勘所などについて、分かり易く解説していただきました。

　山崎講師から、「ＩｏＴにおいて、モノのデータを抽出しクラウドに上げることに集中しがちだが、集めたビックデータを解析し、その分析結果により、いかに有益なフィードバックをかけるかがとても重要である」とのお話がありました。

　山崎講師より、「ＤＸを推進する上での最も重要な入口としては、社内で整合がとれ、お互いに連携のとれた業務プロセスの構築と運用が何より重要である。そこからデジタル化を行うと良い」とのお話がありました。

　また、ＤＸ導入の勘所として、「小規模なことからスタートし、導入効果をモニタリングして、小さな手応えを得る。そこからPDCAを短いサイクルで繰り返し、システム・運用の見直し・改善を図ることでスマート化を展開していくと良い」とのアドバイスがありました。

　その後、グループ（視察先ごと）によるワークショップ形式で自社の課題、ＤＸ活用による解決策や目標設定などについて検討を行いました。

＜ワークショップ①＞　視察企業の振り返り

　・各グループで視察企業の振り返りを行い、全体発表を行いました。

＜ワークショップ②＞　各メンバーによる自社課題検討とグループ内共有

　・課題問題点抽出で学んだマトリックスをベースに、自社内での課題を整理しました。

＜ワークショップ③＞　解決策と目標設定の検討

　・実際の顧客をテーマにグループ毎で話し合いを行い、課題と解決性について検討しました。

＜ワークショップ④＞　全体発表

　・参加者が作成した「課題問題点抽出テンプレート」及び「スマートファクトリー提案書」を基に全体発表し、質疑応答や意見出しを行いました。

＜参加者の発言要旨（抜粋）＞

・部署間で情報共有できていない。当初、情報共有システムの開発に向け、外部委託しようと考えていたが、本研究会に参加してみて、プログラミング言語（VBA）を勉強し、自社内でシステム構築しようと思った。（協同組合）

・本研究会に参加してみて、将来像から逆算して出来るところからＤＸ化に取り組んでいきたいと思った。早速、工場内をWifiにして検査工程の部分をＤＸ化したい。（木材、木製品製造業）

・本研究会に参加して“気づき”があったところは、納期の問合せがあった時、すぐに回答出来ない状況になっていることが分かった。今後、工程のＩＮとＯＵＴを明確にデータ管理していきたい。（金属製品製造業）

　最後に佐藤アドバイザーから、ＤＸ推進に役立つ支援メニューや補助金などのご紹介をいただきました。

（国の助成金の紹介）

　・ものづくり補助金

　・ＩＴ導入補助金

　・事業再構築補助金

（公益財団法人ソフトピアジャパンの支援メニューの紹介）

　・スマート経営応援隊：スマート経営アドバイザー派遣

　　・スマートワークＩＯＴ実践導入支援事業補助金　

　　・ＩＯＴ．ＩＴ研修　　　　　　　　　　　　　　

　　・ものづくり空間Ｆａｂ－ｃｏｒｅ（ファブコア）

　　・現場で役立つＩＯＴの参考書

　終了後、参加者からのアンケートでは、「グループワークを通して、課題等について話したり、聞いたりすることができてとても良かった」、「同じ課題を持っている会社さんの話が聞けて参考になりました」など、共通の課題、目的を持った参加者によるグループワークが有意義だった意見がありました。

　また、全３回出席した参加者アンケートからは、「ＤＸに取り組むきっかけが出来て良かった」、「補助金など利用できるものがあれば考えたい」、「ＩＯＴ研修を検討したい」など、ＤＸ導入に向けた次のステップに移したいコメントが見られ、本研究会の開催目的（最初の一歩をどのように踏み出せば良いのか？）に照らし合わし、自社のDX実現に向けて良い学びの場となったと思います。

　引き続き、DXをテーマとした勉強会（経営効率化、生産性向上、ビジネスモデルの変革）を企画実施して参りたいと思いますので、皆様のご参加をお待ちしております。