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岐阜県独自の魅力的な補助金

こんにちは。支援専門員の虫鹿真司です。

 

今回(第3回)は、「岐阜県独自の魅力的な補助金」についてお話ししたいと思います。

 

補助金活用の悩み

国の補助金は魅力的なツールではありますが、用途が限られていて使いにくいと思われた事はありませんか。

 

・試作開発を行いたいが、人件費や旅費が補助金の対象にならない。
・自社のシステムを独自で開発したいが、IT導入補助金ではパッケージソフトしか対象にならない。

 

どちらも実際に事業者の方から聞いた悩みの声です。小規模事業者持続化補助金はかなり幅広く活用できるのですが、小規模事業者でないと申請できない事、補助上限金額が50万円(一般型)と少ない事がネックです。

 

岐阜県では、魅力的な補助金を独自に打ち出して事業者の皆様をサポートしています。今回はその中の2つの補助金をピックアップしてご紹介します。貴社の事業計画に合致するようでしたら、活用をぜひご検討ください。

 

中小企業販路開拓等緊急支援事業費補助金

展示会への出展、商品の試作開発に対して非常に活用しやすい補助金です。「中小企業販路開拓等支援事業費補助金」は毎年のように募集されていますが、「緊急」の一言が入った今年度の補助金は、補助率も補助金額も大幅に強化されています。

 

補助金の目的は、「新型コロナウイルス感染症による経済活動の停滞に対し、県内地場産業の活性化を図るため、販路開拓に向けた取組みや商品開発・改良、担い手育成等に必要な経費の一部を支援」と記載されているので、市場環境や感染症の広がり具合にも左右されますが、今年度のみの実施となる可能性もあります。

 

画像をクリックすると補助金の案内ページにジャンプします。

 

 

補助金の概要については下記の通りです。

 

★「中小企業販路開拓等緊急支援事業費補助金」の概要

 

・対象となる事業者
製造業に属する県内中小企業者、実行委員会、連携体、組合等

 

・対象となる事業
1)国内・海外の見本市等の出展事業
2)国内・海外の見本市等の開催事業※1
3)自社ECサイトでのフェア開催事業※2
4)商品開発・改良事業
5)担い手育成事業
※ただし、地場産業に係る販路開拓等事業に限る。

 

・補助率
補助対象経費の4分の3以内

 

・補助金額
1~3の事業:1,000千円
4~5の事業:10,000千円

 

・募集期間
2020年12月28日まで(県の予算額に達した場合には募集を終了する可能性あり)
※事業実施期間は2021年2月28日までです。

 

「商品開発・改良事業」と「担い手育成事業」は、補助率が3/4で補助上限金額が10,000千円とものづくり補助金に並ぶ充実ぶりです。人件費や旅費など幅広い経費が補助金の対象となるため、本格的な開発事業を計画されている事業者の方にお勧めです。

 

 募集期間は「2020年12月28日」ですので、よろしければご活用くださいませ。県の承認を得る必要がありますが、交付決定前に事前着手を行う事も可能です。

 

★申請アドバイス

見本市の出展事業の申請に関わった経験がありますが、複数の納税証明書、履歴事項全部証明書、展示会のレイアウト図、出展企業リストなど、提出する必要がある書類の種類が非常に多く、提出資料リストを見て絶句した事が記憶に残っています。ただ、事業計画書は比較的シンプルでなので書きやすく、資料提出についても岐阜県地域産業課の担当者の方が丁寧にサポートしてくださいました。

 

岐阜県IoTコンソーシアムワーキンググループ事業費補助金

パッケージソフト、自社単独で開発するシステムに留まらず、ワーキンググループを作ってシステムの共同開発を行う事業者の方を対象とした補助金です。大垣市にある公益財団法人ソフトピアジャパンが事務局業務を行っています。人件費や旅費が補助金の対象となる点が特徴的で、ワーキンググループの特性に合わせた自由な開発を行う事が可能です。

 

こちらの補助金は毎年のように募集があります。また、今年度は「テレワーク実証事業」が別枠で用意されています。

 

画像をクリックすると補助金の案内ページにジャンプします。

 

★補助金の概要(「テレワーク実証事業」を除く)

 

・対象となる事業者
岐阜県IoTコンソーシアム設置要綱第16条に定めるワーキンググループ
※岐阜県IoTコンソーシアムの会員で構成。(会員になるには、事務局への申込と1万円の年会費支払いが必要)
※ワーキンググループ構成員には一般会員が2者以上含まれること。
※幹事企業は、県内に本社、本店等を有する会員であること。

 

・対象となる事業
IoTを活用して生産性向上等の試行・実証・調査・検証、新商品・新サービス等の研究開発・製品化・事業化に要する経費

 

・補助率
補助対象経費の2分の1以内

 

・補助限度額
上限5,000千円

 

審査は書面だけではなくプレゼンテーションがあります。また、実績報告も書類だけではなく発表会があります。発表会には、補助金を活用したワーキンググループ以外にも沢山の方々が来られるので、気合を入れてプレゼンテーションの準備をする必要があります。

 

実績報告の発表会の様子(50人以上はいらっしゃいます)

 

発表会会場の個別ブース

 

採択率が公表されていないのでハードルの高さは分かりませんが、採択されたワーキンググループのメンバーは、地域の有力中小企業や大企業がかなり多い印象を受けます。実績報告の発表会では結構なプレッシャーがかかるかと思いますが、いい刺激になるとも思いますので、メンバーを集めてぜひチャレンジしてみてください。

 

★申請アドバイス

研究開発の技術的な部分を深掘りして記載する必要はありませんので、技術者の方でなくても申請作成は可能です。グループ全体及び各メンバーが、補助金を活用して何を成し遂げたいかをコンパクトにまとめて記載する必要がありますので、補助事業全体を理解している方が申請手続きを進めるとうまくいくと思います。

 

申請書類提出後には、ソフトピアジャパンでプレゼンテーション審査が行われます。今年度は、参加者は2名まで、制限時間が10分程度でした。ワーキンググループのメンバーが参加する必要があり、コンサルタント等の支援者が立ち入る事はできません。経営者または情報システム責任者が参加されるのが第一選択肢になると思います。

 

なお、プレゼンテーションの後には質疑応答の時間が設けられており、審査員から結構突っ込んだ内容の質問が来るようです。自社でIoTに精通した人材を育てていないと大変かもしれません。

 

 

 

2020年11月から第3次補正予算の編成作業が進められており、補助金・助成金の新設・予算増額についても盛り込まれる可能性があります。

 

新たな情報をすぐに仕入れられる準備をして、経営に役立つ補助金・助成金の活用の機会を逃さないようにしていただければと思います。

 

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