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「時代の変革期」を生き抜く方法
「DX」という言葉を聞かれたことがあると思います。
「DX」とは、「デジタルトランスフォーメーション」の略です。
(Digital Transformation)
日本人の感覚だと、「DX」ではなく、「DT」ですよね。
これは、「Trans」を「X」と略すことが一般的な英語圏の表記に準じているためです。
今回は、コロナウイルスが呼び込んだ「時代の変革期」を生き抜く方法について、私(ものづくりセンター支援専門員の石井)とともに考えていきましょう。
DXの定義
そもそも、「デジタルトランスフォーメーション」とは何なのでしょうか?
まずは、DXの定義について考えてみましょう。
◆ デジタルトランスフォーメーション
デジタルトランスフォーメーションは、スウェーデンのウメオ大学教授であるエリック・ストルターマン氏が2004年に提唱した概念です。
この定義では、「ITの浸透が、人々の生活をあらゆる面でより良い方向に変化させること」が挙げられています。
このように、2004年に初めて、「デジタルトランスフォーメーション」という概念が生まれました。
以降、時代を経るにつれ様々な定義が提唱されてきました。
直近では、
◆ 2018年経済産業省が公表した定義
経済産業省が2018年10月に公表した
「デジタルトランスフォーメーションを推進するためのガイドライン」
では、デジタルトランスフォーメーションの定義を、
「企業がビジネス環境の激しい変化に対応し、データとデジタル技術を活用して、顧客や社会のニーズを基に、製品やサービス、ビジネスモデルを変革するとともに、業務そのものや、組織、プロセス、企業文化・風土を変革し、競争上の優位性を確立すること」
と、定めています。
簡単に言ってしまうと、
「データやデジタル技術を駆使して、ビジネスに関わるすべての事象に変革をもたらす」
こと。
データやデジタル技術の活用を軸に、
- 従来なかった製品(サービス)、ビジネスモデルを生み出す
- プロセスを再構築し、既存ビジネスに生産性の向上・コスト削減・時間短縮をもたらす
- 業務そのものを見直し、働き方に変革をもたらす
- 上記を実現する土壌として企業の在り方自体を見直す
つまり、DXは、貴社のビジネス全体を根底から見直し、大きく変革することなのです。
DXの身近な例
まだ、DXのイメージがわきにくいかと思います。
そこで、3つほどDXの具体例をご紹介します。
◆ ヤマハ発動機
- 「2030年までに全ての製品をコネクトする」というビジョンを掲げ全ての商品をネット接続化へ
- 2020年2月にIoT技術を適用したコネクテッドバイク「NMAX」をインドネシアで発売
- スマホアプリ「Y-Connect」と無線接続
- 埼玉県内で、月額制バイク貸出サービス「月極ライダー」展開中
◆ トヨタ自動車
- MaaS用自動運転車のコンセプト「イーパレット(e-Palette)」
東京2020 選手村にて走行テスト中 - トヨタの新車が月額定額で乗れるサービスKINTOを開始
機器の企画から設置、運用、保守、修理まですべてを同社が担当するサービスを考案「シグマ・エア・ユーティリティ」。
このサービスを利用することで、顧客は設備や運用コストを考えることなく、圧縮空気をどれだけ使ったかだけを意識すればよくなる。
いかがでしょうか。
何となくDXのイメージがつかめたでしょうか?
正直、微妙なサービスもありますが・・・
それぞれ、従来からの事業を元にデジタル技術を取り入れる事によって、新たなビジネスの構築に挑戦されています。
時代の流れ
あなたは思われているはずです。
全部、大企業じゃないか。
残念ながら比較的わかりやすい事例となりますと、今の所、大企業になってしまいます。
もちろん、岐阜県内のものづくり事業者さんでも、DXに取り組んでらっしゃる方はいらっしゃいます。
ここまで見てきたように、「DX」とは単純にアナログからデジタルの置き換えだけではありません。
データやデジタル技術を駆使する事によって、貴社のビジネスに関するあらゆる事象に変革をもたらすことです。
こんな時代背景の中、新型コロナウイルスによるパンデミックが世界を席捲しています。
2020年4月7日
2020年2月頃から日本国内に蔓延し始めた「新型コロナウイルス対策」として、初めての「新型コロナウイルス感染症緊急事態宣言」が発出されました。
以降、感染の波が高まる度に、「新型コロナウイルス感染症緊急事態宣言」と「まん延防止等重点措置」が発出されてきました。
2020年始めから続くコロナウイルスの世界的流行は、世界のビジネス構造を大きく塗り替えつつあります。
コロナウイルスの影響で、多くの事業者さんが業績を大きく落とされました。
その反面、好業績の事業者さんもいらっしゃいます。
いささか乱暴な言い方になってしまうかもしれませんが、コロナウイルスの影響で大きく業績を落とされた事業者さんの多くは、それまでの事業そのものの見直しが必要かと思います。
逆に、コロナウイルスの影響で好業績の事業者さんは、パンデミック後の事業の検討が必要です。
コロナウイルスによる世界的なパンデミックにより、それまでの「DX(デジタルトランスフォーメーション)」の流れを受け、結果的に事業そのものの再検討(ビジネス構造の変革)を早める事になったのではないか、と思います。
過去、産業革命の時がそうだったように、ビジネス構造の変革は、人々の生活を大きく変えてしまいます。
DX時代が到来しつつあった状況の中、コロナウイルスの蔓延により、ビジネス構造の変革がスピードアップされました。
インターネットの普及により、一部の職種では、「定時の通勤」から「在宅勤務」へと勤務形態の変革が実現しました。
コロナ以前はあまり普及していなかった「ネットミーティング」も今では当たり前になり、それまで以上にネットショップの需要が増加しました。
リアル世界での接触を避けるために、飲食店ではなく自宅で食事を摂ることが多くなり、「引きこもり需要」が増加。
外出型消費行動から、デジタル需要・非接触志向の高まりとともに、屋内型消費行動へと需要が変化してきました。
人々の消費行動が変わると、経済構造も変わってきます。
それと同時に、需要が変化してきます。
需要が変化してくるのですから、当然、供給側もそれに合わせる必要があります。
中小企業のDX
これまで見てきたように、時代は大きな変革期に入っています。
これからの時代を生き抜いていくためには、「DX(デジタルトランスフォーメーション)」は、避けては通れない道だと思います。
ウチは何をすればよいのか?
そう、思われている事業者さんも多い事でしょう。
まずは、
★ 事業目標の明確化
DXの本質は、デジタル技術を活用したビジネス構造の変革です。
まず5年後に事業をどうしたいのか、を定めてみてはいかがでしょうか。
例えば、金属加工業であれば、5年後、どのような業界にニーズがあるのか。
あるいは、既存の設備で進出が可能な業界はどこか。
あるいは、BtoBからBtoCへの事業転換を目指す。
とか。。。
この場合、見誤ってはいけないのは、「デジタル技術の活用」です。
5年後の目標を定めた後、既存の基幹システムの見直しから始まり、製造現場の様々なデータの収集、作業員一人一人の把握・管理 等々、社内業務の全てにメスを入れていきます。
当然、予算に限りがありますので、少額投資によるスモールスタートから始めた方が良いでしょう。
まずは、現在アナログ状態にあるものをデジタルに置き換えるところから始めてみましょう。
これからの時代の流れは、これまで以上に早くなっていくものと予想されます。
ガソリン車全盛の時代から、ハイブリッドが当たり前になり、やがて電気自動車が一般に広く普及し始めるでしょう。
それまで、街中であまり見かけることがなかったウーバーイーツに代表されるフードデリバリーサービスも、今や当たり前になり、熾烈な競争を繰り広げています。
こういった時代の流れは、ものづくりの現場にも押し寄せてきています。
イザとなって慌てないように、今から「DX(デジタルトランスフォーメーション)」の取組を始める必要があります。
販促・IT活用で、何かお困り事等がありましたら、お気軽にお問合せ下さい。