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ISOの規格要求事項とは?

こんにちは。支援専門員の小寺 弘剛(こでら ひろたけ)です。

 

ISOコンサルタント/ISO審査員としての経験を基に、 ISO(マネジメントシステム)についての考えを連載させて頂いております。

 

ISOの新規認証取得をお考えの事業者様はもちろん、認証取得から長い期間が経ち、活動の形骸化やモチベーション低下に悩んでいる事業者様にも振り返って頂きたい内容です。

 

第二回目の今回は、「ISOの規格要求事項とは?」をテーマに掲載させて頂きます。

 

ISOを効果的に運用するためには、細かなルールを理解するよりも、まず、マネジメントシステムの目的や全体像をしっかりと理解することが重要です。

 

※過去の連載記事は、コチラからどうぞ。

第一回:ISOマネジメントシステムとは?

 

その他、ISOや経営管理手法に関する

掲載記事は、コチラからどうぞ。

 

 

要求事項とは

ISO(マネジメントシステム)では、組織(会社)が実施(順守)するように求められていることを要求事項と呼ぶ。

 

ISOで扱われる代表的な要求事項は、以下の通りである。

 

 

 

規格要求事項とは

ISO(マネジメントシステム)の規格要求事項とは、ISO認証組織が守るべきルールの体系である。当該ルールは、国際標準として制定されているとともに、各国で翻訳版が発行されている。

 

ISO(マネジメントシステム)には、ISO9001、14001、45001、22000など、数多くの種類があるが、マネジメントシステムの種類に関わらず、規格の箇条(要求事項)の構成は統一されている。

 

 

 

 

規格要求事項の全体構成

ISOの規格要求事項は、PDCAサイクルの考えを基に、構成されている。

 

PDCAサイクルとは、Plan(計画)・Do(実行)・Check(評価)・Action(改善)を繰り返すことによって、製品・サービスの品質や業務効率などを継続的に改善していく手法のことである。

 

  

 

ISOマネジメントシステムは、種類ごとに、目的が異なる。

 

例えば、9001なら顧客満足度向上、14001なら環境保全、45001なら労働安全、22000なら食品安全が目的である。

 

しかしながら、その目的・目標に到達するためのプロセスの基本は、統一されている。その中心的な考え方が、PDCAサイクルである。

 

そのため、以下の通り、どのマネジメントシステム規格でも、統一のルール体系を持っている。

 

 

 

「4.組織の状況」(P):組織内部や組織を取り巻く外部環境を分析し、課題を明確にする。

 

「5.リーダーシップ」(P):組織全体の方針を示し、責任や権限を明確にする。

 

「6.計画」(P):目標を設定し、目標達成への計画を立案する。

 

「7.支援」(D):目標達成に必要な資源(ヒト、モノ、カネ、情報など)を管理する。

 

「8.運用」(D):製品の製造、サービスの提供など目標達成に向けた取り組みを実施する。

 

「9.パフォーマンス評価」(C):取り組んだ結果を分析し、成果を評価する。

 

「10.改善」(A):成果を分析し、次回の計画に活かす。不具合があれば、見直す。

 

 

 

 

今回の内容は、いかがでしたでしょうか?

 

 

ISOの形骸化やモチベーション低下に陥っている組織の特徴に、

 

細かな要求事項に囚われて、マネジメントシステム本来の目的を、

 

見失っているということがあるように思います。

 

 

 

まさに、「木を見て、森を見ず」状態で、

 

本来の目的を見失って、ただただ”ISO認証用”の

 

表面的な管理文書や記録を作っている組織も多く見受けられます。

 

 

 

 

文書や記録の管理は、あくまで「手段」です。

 

組織のPDCAを回すという

 

マネジメントシステム本来の「目的」に立ち返って、

 

組織の全体最適としての観点から、

 

システムの構築・見直しを行ってみては、いかがでしょうか?

 

 

 

 

 

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