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QC工程表のつくり方と活用法~活用編~
今回のG-Clubラーニングは、「QC工程表のつくり方と活用法~活用編~」をテーマに、
支援専門員の小寺弘剛(こでら ひろたけ)がお送りいたします。
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<ISO関連>
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品質管理体制強化への活用
品質管理の基本に、
「1ワーク1チェック」と「エリア保証」という考え方があります。
「1ワーク1チェック」とは、自分で加工したものは、
自分で確認するということです。
「エリア保証」とは、自工程で加工したものは、
次の工程に渡す前に検査するということです。
QC工程表を見たときに、何らかの加工を行っているのに、
その加工内容に対する確認方法や合格基準が不明確である。
あるいは、次工程に渡す前の検査方法や合格基準が不明確であるという場合には、
それが品質管理体制のウィークポイントです。
このような状態が放置されると、製品の不具合を自社内で発見できず、
不良品が外部流出したり、後の工程で不具合が発見されて、
手戻りや修正に多くのコストや時間がかかるといった問題が発生します。
また、不良流出予防策として、製品出荷前の最終検査工程において、
ダブルチェック、トリプルチェックと、検査を増やす場合がありますが、
それよりも各作業や各工程での確認・検査体制を見直し、
「1ワーク1チェック」と「エリア保証」を徹底する方が、
効率的かつ有効な場合が多いのです。
問題の原因分析や再発防止策立案への活用
QC工程表は、不良など問題が発生した際の原因分析や
再発防止活動の基礎資料として活用できます。
基礎資料なしに、問題の原因分析を進めると、
担当者の不注意など漠然とした原因で片付けられ、
有効な再発防止策につながらないといった事態が、よく見られます。
QC工程表が作成され、問題が発生した工程の加工条件(5M)が明確になっていれば、
以下のような多角的に分析が容易になります。
・材料(Material)の変更や仕入先の変更は無かったか?
・加工機(Machine)の整備は十分であったか? 設定値の変更をしていないか?
・担当者(Man)の教育・訓練は十分であったか?急な担当者変更は無かったか?
・加工手順(Method)は、手順書などで明確にされていたか?手順を守っていたか?
・検査方法・基準(Measure)の変更は無かったか?検査頻度やサンプリング率は適切であったか?
多角的な分析を行うことで、原因の見落としを防ぎ、
真因(真の原因)にたどり着きます。
真因を把握することで、再発防止策の有効性を高められます。
納期管理への応用
QC工程表は、品質管理・品質保証に用いるものですが、
「標準時間」や「生産計画」の欄を設けることで、
納期管理にも応用して活用することができます。
「標準時間」を設定することで、各工程の作業量を把握できる他、
人員など配分資源の見直しや、
作業改善によるリードタイム短縮の基礎資料として活用できます。
「標準時間」は、①段取り時間(加工の準備に要する時間)と
②加工時間(1個または1台当たりの加工に要する時間)から構成されます。
「標準時間」欄に加えて、「生産計画」欄を設けることで、
各工程の生産計画の予実管理ができる他、
顧客への納期回答の資料としても活用できます。
「生産計画」の「予定」欄を記載するためには、
「基準日程」を算出する必要があります。
「基準日程」とは、製品完成の期限を基準とした
各工程の着手および完成の期日であり、
以下の式により算出できます。