イチオシ事例
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だだくさに扱うな!!(オオノ工業)
ものづくりセンター支援専門員の石井です。
10月に始まった「イチオシ事例」
私の担当分は、年内最後となりました。
今回は、岐阜県関市の「株式会社オオノ工業」さんです。
だだくさに扱うな!!
オオノ工業の大野社長は、小さい頃から、
機械を触るのが大好き
機械を触るのが好きすぎて、高校を卒業する時には、機械のメンテナンス会社に就職しようと思っていたそうです。
大野社長のお父様でもある先代社長も、機械が大好き!
なおかつ機械をとても大事に扱う方だったそうです。
機械をだだくさ(粗雑)に扱うな!!
よく怒られたそうです。
オオノ工業では、この教えが浸透していて、年季が入っている機械でも未だに現役で元気に働いています。
ものづくりをしていてよかった!!
大野社長は、おっしゃいます。
2次元である図面を見て、出来上がりを想像する。
実際にものを創造する際には、図面からできる限りの情報を得て、加工方法を試行錯誤していきます。
私は、この過程が大好きです。
そして、実際にものが出来上がった時。
3次元になって、この手に触る事ができた時。
ものづくりをしていて良かった!!
と思う瞬間です。
オオノ工業では、毎日、ものづくりをされています。
当たり前ですが。。。
という事は、大野社長はお仕事を通して、
毎日、大好きな機械に触れ、
毎日、ものづくりの喜びを味わっていらっしゃる訳です。
同じ社会人として、とてもうらやましく感じます。
オオノ工業の得意技
オオノ工業では、「中厚板・長尺物の曲げ加工」を得意とされています。
この得意技を維持し、さらに難しい金属加工にチャレンジする為に特に意識してらっしゃるのは、
- 人財の技術の高さ
- 最新設備の導入
平成25年度補正ものづくり補助金で導入された「コンポジットプレスブレーキ(ハイブリッドベンダー)」は、この取り組みの一環でした。
ものづくり補助金で設備を導入する事で、オオノ工業お得意の「中厚板・長尺物の曲げ加工」において、さらなる品質の安定と生産性向上を実現しました。
コンポジットプレスブレーキを導入して5年以上経過していますが、今では、同設備でないと加工できない多くの案件の受注に成功しています。
また、補助金を活用するだけではなく、独自に最先端の設備投資を実施されています。
門型マシニングセンタ
門型マシニングセンタとは、中厚・大板の穴、削り加工、フレームの穴を加工する機械です。
この、門型マシニングセンタを導入することにより、溶接後の加工が可能となり、精度が各段に向上しました。
レーザー切断機6KWファイバーレーザー
10段ストッカー
レーザービームにより金属材料等にわずかな時間で穴あけや切断加工ができます。
自動プログラミング装置で切断形状のデータを作成し、そのデータをCNC制御の加工機に読みこませることにより、自由な形状の切断が可能です。
レーザー切断機に自動でワークの搬入・搬出が可能な設備を接続する事により、無人での加工が可能となりました。
これからのオオノ工業
11月某日、今回の記事を執筆するにあたり、久しぶりにオオノ工業さんにお邪魔してきました。
コロナ禍以降はお邪魔していなかったので、さぞかしご苦労なさっているだろうと思っていました。
しかし、私の安易な予想は大外れでした。
コロナ禍以前のオオノ工業さんは、殺到する注文をさばく事に精一杯で、社長ご自身が先頭に立って現場に入ってらっしゃいました。
慢性的に「人手不足」状態でした。
コロナ禍以降、一時、注文が落ち込んだ時もあったそうですが、その状態は2か月ほどで通り過ぎ、現在では、コロナ禍以前の状態に戻りつつあります。
そして、今でも「人手不足」状態です。
オオノ工業のアピールポイントは、「技術力の高さ」です。
技術力を維持する為には、最先端設備の導入はもちろんですが、それ以上に「人財」が必要です。
大野社長は、特にこの「人財」を重視されてらっしゃいます。
コロナ禍でもビクともしない技術力を持ち、日々、喜びを感じながらものづくりに邁進するオオノ工業。
これからが、ますます楽しみな事業者さんです。
最後に。
お忙しい中、取材にご協力頂きました大野社長。
本当に、ありがとうございます。
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