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キラリと光る技術者集団

支援専門員の石井です。

 

これまで、「イチオシ事例」として、私からは4社紹介させて頂きました。

 

最初は、薄板板金加工を得意とされている「岡村機工株式会社(関ヶ原)

2回目は、一枚板専門企業「株式会社アルアート(山県)

3回目は、中厚板・長尺物の曲げ加工を得意としている「株式会社オオノ工業(関)

4回目は、「印染め」を得意としている「有限会社福田屋(大垣)

 

今、振り返ってみるとやはりそれぞれに特徴のある事業者さんばかりです。

 

さぁ、今回は。。。。。

 

精密部品加工を得意とされている関市の「株式会社丸富精工」です。

 

丸富精工の歴史

 

丸富精工の歴史は、今から約60年前の昭和37年(1962年)にさかのぼります。

 

昭和37年(1962年)

独自の精密加工技術を擁した技術集団「野田鉄工所」としてスタート

 

昭和58年(1983年)

工場や設備機械を充実させ、本格的な精密加工技術企業「株式会社丸富精工」として、新たなる躍進の道を歩み始める

 

以降、単なる金属部品加工に止まらず、設計から組立までの一貫生産体制を構築し、現在では、自社企画・開発の産業用機械の開発・製造も行っています。





そして。。。

 

ものづくり補助金を活用して、平成26年に丸富精工主力商品の「産業用機械ユニット」の短納期化と低価格化実現のために、新たにCAD/CAMシステムとワイヤー放電加工機とCNC旋盤を導入。

さらに、平成27年には、3次元複雑形状部品の削り出しを実現させる為、5軸加工用のCAD/CAMシステムと、同時5軸制御立型マシニングセンターを導入しました。

 

3次元複雑形状部品の削り出し


3次元複雑形状

丸富精工では、鋳物工場で製造された部品を受け取り、その一部を高精度で加工して、機械部品として仕上げる業務を担っていました。

 

また、複数部品によって成立する組立部品の機械加工及び組立作業を丸富精工にて行っておりました。

 

<問題点>

この加工方法には、大きく2つの問題点があります。

 

第一の問題点

近年、産業構造の変化により担い手不足等の問題から廃業する鋳物業者が増えてきました。

その結果、鋳物の調達が難しくなり、過去には5日で調達できた鋳物部品が30日かかり、価格も過去の倍になってきています。

鋳物からの脱却は喫緊の課題でした。

 

第二の問題点

食品を扱う機械では、食品の粉が機械の隙間に入りこむと機械が止まる問題もあり、食品機械メーカーから、「複数部品の一体化」を求められていました。

 

<解決策>

丸富精工では、上記2つの大きな問題を解決する為に、3次元複雑形状部品の削り出しを実現させるべく、ものづくり補助金を活用して、5軸加工用の3次元CAD/CAMシステムと、同時5軸制御立型マシニングセンター導入しました。

 

導入した設備

 

2つの大きな問題を解決する方策は、金属のカタマリから「3次元の複雑形状」を丸富精工社内で削り出せる体制を構築する事にありました。

 

しかし、残念ながら丸富精工の既存設備では対応が難しく、設備投資金額も高額になる事からものづくり補助金を活用する事にしました。

 

<3次元CAD/CAM>



3次元複雑形状の部品を加工する為には、3次元に対応するCAD/CAMが必須になります。

丸富精工では、部品そのものの設計にも対応する為に、CAD/CAMシステムの導入と同時に、社員の教育にも力を入れています。

 

野田社長はおっしゃいます。

 

3次元CAD/CAMシステムと同時5軸制御マシニングセンターを導入して初めてわかったのですが、3次元複雑形状部品を設計・加工する為には設計概念そのものを変えないと対応できないんです。

 

ものづくり補助金の事業終了後、社員教育にさらに力を入れ、3次元複雑形状部品を設計・製作するスキルをブラッシュアップされています。




<同時5軸マシニングセンター>

 

従来の直線軸XYZの3軸に2軸の回転傾斜軸を追加する事にとって、「5軸加工」が実現します。

 

丸富精工では、同時5軸制御マシニングセンターを導入した事により、以下のメリットを享受する事ができました。

 

  • 鋳造品から削り出し部品に変える事により、大幅なコストダウンが実現
  • 鋳造品から削り出し部品に変える事により、大幅な納期短縮が実現


 

 

これからの丸富精工

 

ものづくり補助金の事業を進めていく中で、丸富精工では3次元複雑形状の部品切削のノウハウとして、下記内容が蓄積されました。

 

  • 会社内の加工概念が多軸化に変化
  • 多工程部品の単工程化のノウハウ
  • 3次元複雑形状部品を取り入れた設計概念の変化

 

補助事業終了後、丸富精工の業績は順調に推移し、これまでの包装機や印刷機向けだけではなく、医療機向けの受注にも成功しています。

同時に、技術力のさらなる向上と、生産性の向上を目指し、公的機関の協力を得て改善活動と人材育成にも力を入れています。

 

しかし・・・



2020年2月頃から広まったコロナ渦は、丸富精工の業績に影を落としつつあります。

 

これからは、新規の取引先を開拓しつつ、さらなる技術力向上を目指していかれる事と思います。

 

キラリと光る技術者集団。

 

丸富精工は、

 

より速く・より美しく・より正確に・より丁寧に

 

モノ作りの原点にこだわる企業姿勢を大事に、これからも進んでいかれることでしょう。

 

これからが、ますます楽しみな事業者さんです。

 

 

最後に。

 

お忙しい中、取材にご協力頂きました野田社長。

 

本当に、ありがとうございます。




 

 

 

 

 

 

 

 

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