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交通安全教育センターとしてオンリーワンの自動車学校(㈱大原自動車学校)

今週のイチオシ事例は、岐阜県が誇る陶磁器製造業の集積地であり、ニュースの

最高気温ランキングでもおなじみの多治見市にある株式会社大原自動車学校です。

数少ないサービス業の事業者によるものづくり補助金の活用の事例として、

支援専門員の矢橋がその現場を取材してきました。

 

 

少子化の影響は運転免許取得者数にも

 

およんでいて、運転免許を新たに取得する若年層の絶対数が減少していること

はもちろん、運転免許保有率(年齢層別の人口に占める運転免許を保有する人

の割合)も減少傾向にあります。

 

 

<出所:内閣府ウェブサイト>

 

 

さて、冒頭から自動車学校にとっては厳しい事業環境の話をしてしまいましたが、

このような

 

事業環境の悪化の中での当校の生存戦略

 

は、クレーン運転士免許やフォークリフト、溶接などの作業資格の講習と

交通安全教育にも力を入れることです。

 

<出所:大原自動車学校ウェブサイト>

 

当校は

 

とりわけ貨物ドライバーの交通安全教育に注力

 

していて、

全国に16か所しかなく、岐阜県内では唯一の全日本トラック協会の研修施設として

貨物ドライバーの研修を行っています。

東海地方では当校と愛知県の1か所しかないため、多治見への交通の便が良い

愛知県からも多数の受講者を集めています。

 

 

<出所:公益社団法人全日本トラック協会ウェブサイト>

 

 

貨物ドライバーの研修は重要

 

であることは言うまでもありませんが、あらためて整理すると

 

社会的には、

 貨物トラックの関与する事故は、ひとたび発生すればとても悲惨な事態になる

可能性が高く、道路利用者の安全を脅かすものです。

 

貨物トラック事業者にとっては、

 自社のトラックが事故を起こすと、荷主と自社の経済的損失が発生し、使用者/

管理者としての責任、さらには企業としての社会的責任が追及され、その過程で自社

の風評が悪化することは必至です。

 これを予防するためには、定期的にドライバーの安全意識の高揚や知識/技術の向上

を図る研修を行う必要があります。

 それはまた、事故の減少による保険料の削減、丁寧な運転による車両寿命や燃費の

改善、車両維持管理費の削減につながります。

 

このような貨物ドライバーの研修の必要性に応えて、当校は貨物ドライバー研修を

充実させています。

 

<出所:大原自動車学校ウェブサイト>

 

 

しかしながら一方で、

 

研修はできるだけ短時間で効率良く終わらせたい

 

ということも、顧客の貨物トラック事業者の切実な要望であるため、当校は

1日だけで完了する研修

 

「ワンデイ・スキルアップ研修」を提供しています。

 

実施時間が午後になっているのは、夜間研修も実施しているからです。

夜間に公道で起こりうる様々な現象を体験することで、夜間走行特有の危険要素や

留意点を理解できるようにしています。

 

 

<出所:大原自動車学校ウェブサイト>

 

この

 

ワンデイ・スキルアップ研修

 

のサービスを開始するにあたっては、以下の新たな教育機器が必要でした。

・自動車運転シミュレータ

・視覚検査装置(動体視力、夜間視力も測定)

・視野診断計

・蘇生法教育人体モデル(大人、幼児、乳児の3種類)

・AEDトレーニング機

・酒酔い体験ゴーグル

・酒酔い体験ラインチェッカー

 

 

それらの整備が課題だった当校は

 

平成29年度補正ものづくり補助金を活用

 

してそれらの教育機器を整備したのです。

 

 

<自動車運転シミュレータ>

 

  

<視覚検査装置>             <視野診断計>               

 

 

<AEDトレーニング機と蘇生法教育人体モデル> <酒酔い体験ゴーグル>

 

 

教育機器についてもう少しご紹介すると、例えば

自動車運転シミュレータは、酒酔い体験ゴーグルを着用して

 

飲酒運転の危なさを体感させる

 

ために使います。

 

今回の取材では、副校長さんが酒酔い体験ゴーグルは着用せずに運転するのを

見学しました。

 

突然飛び出してくる車や人など、危険な状況が次々に起きてヒヤヒヤドキドキ

します。

 

もっともドキッとしたのは、

・信号交差点で右折しようとしたところ

・直進する対向車が止まってパッシングしている

・ご親切にありがとう、と思ってアクセルを踏んだ瞬間

・対向車の影からバイクがビューンと直進してくる

・あわやバイクと衝突!

 

という場面です。

 

このような危険な状況を研修で実地に再現するわけにはいきません。

 

シミュレータの有用性を右折のリスクとともに体感できました。

 

<対向車の影からバイクが!>

<あわや!という場面の動画>

 

 

なお、ワンデイ・スキルアップ研修は、受講者からのアンケート調査の結果も

貨物トラック事業者からの評価も好評であり、時間的制約が大きい中での顧客

満足度の向上ならびに研修の最終目的である貨物ドライバーの安全運転に成果

を上げているといえます。

 

 

 

今回、厳しい事業環境にあっても、社会課題や顧客のことをよく考え、独自の

強みを活かして対応していくことの大事さを、私はここで教えていただきました。

 

 

 

 

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