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小回りを効かせて食品業界激変に対応(㈲ケイ・エイ商事)

今週のイチオシ事例は、岐阜県羽島郡岐南町にて惣菜/デザートや介護食/ベビー食などの

食品加工業を営む、有限会社ケイ・エイ商事です。

 

当社は食品商社として1994年に創業し、現在では食品メーカーへのOEMや外食産業向けの

業務用食品製造に専念して、多種多様な食品を製造しています。

2020年からの新型コロナウィルス感染拡大以降、外食産業を中心に激変した食品業界に

あって、当社はどう対応したのか...支援専門員の矢橋がその現場を取材してきました。

 

<当社本社工場>

 

当社の企業理念

 

は以下の通り、とても具体的です。

 

“私たちはお客様がご満足いただけるまで、本物の「おいしさ」の追求をすること、

そして小回りの効いたサービスを提供することを日々努めてまいります。”

 

私はこの、

 

小回りの効いたサービス

 

というのが、当社の真骨頂だと思います。

 

製品面では、

・一般的な惣菜およびデザート

・介護食やベビー食などの柔らかさや味付けが特殊な惣菜

 

<惣菜>

 

<デザート>

 

 

パッケージ面では、

・豆腐のようなトレー型

・プリンのようなカップ型

・真空パック

・レトルトパウチ 

 

 

<トレー型(ごまどうふ)>          <カップ型(デザート)>

 

 

<真空パック>             <レトルトパウチ>

 

 

ユーザー面では、

・飲食店、ホテル、旅館

・食品スーパー、惣菜店

・介護施設

・ベビー用品のインターネット通販会社

 

と、

多種多様な製品を、様々な形で、様々な顧客の、様々なニーズに応じて小ロットで生産

しています。

 

最低ロットは、

例えばカレールーの場合は200㎏。200gのレトルトパウチにすると1,000パックです。

 

そうすると、必然的に

 

毎日、時間単位で作るものが違う

 

ということになります。

 

ここでは公表できませんが、工場の壁には、一週間の詳細なスケジュールのボードがあり、

日々、時間単位で作る製品名や注意書きがびっしりと書かれています。

 

さて、当社がこのような多種多様/小ロット生産を、顧客のニーズに応じつつ、効率良く

できるようになるためには、相応の設備機器が必要であり、当社はそのために

 

ものづくり補助金を活用

 

しました。

 

 

まず、平成28年度補正ものづくり補助金を活用して、

 

・加熱かく拌機を導入して

・生産能力および新製品開発能力の強化を図りました

 

この加熱かく拌機は、材料をきめ細かい設定で蒸気加熱しながら多様なかく拌ができるため、

 

顧客からの受注に応えきれていなかった、ごま豆腐やプリン等デザートの増産(約100%)

が可能になり、素材、風味、グレード等のバリエーションを増やしたい顧客に対する新製品

開発のための生産ラインを確保できたのです。

 

<加熱かく拌機>

 

 

次に、平成29年度補正ものづくり補助金を活用して、

 

・強制式缶投入機を導入して

・生産能力の強化を図りました

 

この強制式缶投入機は、真空パック惣菜製造ラインにあって、ラインのスピードに合わせて

容器を投入する工程を機械化/自動化するものであり、

顧客からの受注に応えきれていなかった、真空パック惣菜の増産(約50%)が可能になり、

また、省人化(ライン要員を7人から6人に減員)も可能にしたのです。

 

<強制式缶投入装置>

 

 

このように、顧客のニーズにきめ細かく、小回りを効かせてきた当社にも、新型コロナウィルス

の大きな影響がおよびます。

 

 

食品業界の激変に対応

 

次のグラフは、

食品業界の業種ごとの業況の指数です。2015年を100として、その後の増減を測定したもの

であり、

・食料品工業(食品製造業)

・食料品流通業(食品スーパー等)

・飲食店/飲食サービス業(外食産業)

のそれぞれの推移を見ると、

 

新型コロナ感染拡大以降は外食産業が大きく落ち込んでいることが如実に分かります。

 

<出所:経済産業省ウェブサイト>

 

この食品業界の激変にあって、

外食産業向けの受注が多かった当社は当初、受注が激減しました。

しかし、

・多様な惣菜やデザートの生産能力を活かした受注先シフト(食品スーパー等)

・柔らかさや味付け、使い勝手にノウハウが必要な介護食やベビー食の新製品開発/販路開拓

 

つまり、以前から培ってきた自社の強みを活かすことによって激減分を補って、激変の荒波を

乗り切っています。

 

なお、OEMしているベビー食はインターネット通販で1食分小売価格600円程の製品です。

 

すごく高付加価値製品だと感じると同時に、自社ブランド/自社インターネット通販サイトで

の販売はしないのだろうか?と私は思いましたが、当社は検討の結果、それはやらないと

決めたそうです。

 

 

私はここで、顧客のニーズに応えていくことと、自社の強みのある業務への選択と集中の

重要性を教えられました。

 

 

 

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