イチオシ事例
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料理のプロが選ぶ調味料(白扇酒造株式会社)
こんにちは。支援専門員の矢橋 敬(やばし たかし)です。
今週のイチオシ事例は、川辺町の白扇酒造株式会社です。江戸時代後期から続くお店と蔵を
取材してきました。
当社の看板商品
「福来純伝統製法熟成本みりん」は、全国紙のランキングで料理のプロ50人が選ぶ調味料第1位
に選ばれたこともある、本みりんです。
昔ながらの製法を守り造り続けてきた伝統のみりんは、そのまま飲んでもおいしく、適度な
トロミに濃くまろやかな甘さが特徴です。料理に使用すれば食材の旨みを壊さぬよう上手く引き
立て、見た目にも光沢のある照りを与えてくれます。
プロに選ばれるだけあって、北海道の有名な六花亭のお菓子にも当社のお酒が使われていたり
もします。
もちろん酒造会社ですから、みりん以外にも、料理酒、清酒、焼酎なども製造・販売
しています。
ただ、飲むお酒ではなく、みりんと料理酒という、料理のためのお酒に軸足を置いて
いることが、当社をとてもユニークな酒造会社にしていると思います。
とても長い時間をかけてしっかりと製商品化
そんな当社は、「平成26年度補正ものづくり・商業・サービス革新補助金」を受けて、
看板商品のみりんの製造工程を、伝統的製法と機械化を組み合わせた、とても先進的な
ものにしました。
本みりんは、焼酎、もち蒸米、米麹を仕込んだ後、圧搾して、数年熟成させて出荷
するという工程をたどるのですが、当社は、この焼酎の安定的な増産のための設備投資
(三角棚製麹機など)に補助金を活用して40%くらいの増産を目指したのです。
最初の焼酎の仕込みから4年。設備投資後の焼酎が入った本みりんが、熟成が終わった
分からやっと出荷されるようになりました。
ものづくり補助金の活用の事例の中で、これほど長い時間軸で着実に取り組んだ事例
はなかなかないと思います。
<酒蔵(工場)全景 ここのタンクの中にみりんが入っています>
<三角棚製麹機 ここで麹を作ります>
ところで最近当社は、川辺町の新名所になりそうな空間をつくりました。
蔵をリノベーションしたショップ
がそれです。カフェやバーのようにも見えるこの空間は、蔵を改装して、カウンター
や椅子は、かつて蔵で使用していた樽などを再加工して制作されました。
江戸時代後期の創業からの歴史を体感できる、ゆったりとした素敵な空間です。
こうして、
江戸時代後期の創業からの歴史
を体感しつつ思ったのは、
・長い時間がかかってもしっかりと製商品/サービスを改善し続けること
・過去の遺産はきれいに保存して、使えるように工夫して活用すること
が、事業を持続させるために大事なのだろうということです。
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