今回のイチオシ事例は、蓬莱の銘柄で知られる

 

飛騨古川の酒蔵「有限会社 渡辺酒造店」さんです。

 

 

補助事業で開発した新商品「わたなべ35 長期樽熟成 本格焼酎」の話を中心に、

 

専務取締役の渡邉隆さんに、支援専門員の小寺弘剛が取材させて頂きました。

 

 

 

 

 

 

当社概要

蓬莱の銘柄で知られる渡辺酒造店さんは、

 

明治3年創業150年の歴史を持つ老舗の造り酒屋です。

 

 

 

 

「米のいのちを生かすよう、真っ直ぐに醸す、心や人間性の酒造り」を目指し、

 

職人の魂、伝統と手づくりを重視することで、

 

岐阜県を代表する酒造好適米「ひだほまれ」を中心とした

 

原料の持ち味を最大限に引き出す酒造りに取り組んでいます。

 

 

 

 

その品質の高さから、

 

「２０２０世界酒蔵ランキング」第1位

 

「インターナショナル ワイン チャレンジ」

グレートバリューアワード チャンピオンサケ

 

など、国内外の日本酒コンクールで最高賞を多数受賞しています。

 

 

 

 

また、「日本で一番　感謝と笑顔あふれる蔵」をモットーにしており、

顧客や従業員を笑顔にすることは、もちろんのこと、

 

・24時間365日吉本興業の漫才を仕込みタンクに聞かせる

 

・年に１回吉本芸人を呼んで、リアルな漫才をタンクに聞かせる

 

・タンクに「ありがとう」など、酒に対する感謝の言葉を書く

 

 

など独自の取り組みもしています。

 

 

 

◆「ありがとう」タンク

 

 

 

 

補助事業のきっかけ

補助事業では、清酒の製造工程で生じる酒粕を原料にした

 

焼酎造りに取り組みました。

 

 

 

品質の高さが評判を生み、順調な成長を遂げ、

 

生産量を拡大してきた当社では、

 

製造工程で発生する副産物である酒粕の増加が問題になっていました。

 

 

 

酒粕は、タンパク質などの栄養素や

 

アミノ酸などのうまみ成分を多く含み

 

甘酒や漬物、粕汁などで利用されます。

 

 

また、美白や保湿に有効な成分を含んでおり、

 

化粧品や石鹸などにも用いられます。

 

 

 

当社でも、酒粕の販売を行ってきましたが、

 

生産量の増加に伴い廃棄処分する量も増加してきました。

 

 

「うまみ成分や健康成分の詰まった酒粕を廃棄するのはもったいない。」

 

という思いが本事業に取り組むきっかけでした。

 

 

◆原料となる酒粕

 

 

 

補助事業の取り組み

歴史ある日本酒の蔵元としては、

 

当初、焼酎をつくることには、葛藤もあったそうです。

 

 

しかし、一旦、開発事業が立ち上がると、

 

社員・職人の気持ちは一つでした。

 

 

 

「（本業ではない）焼酎だから」

 

「（副産物である）酒粕を使用するものだから」

 

 

といった妥協は、一切なく、

 

ただただ最高の焼酎を提供するために、

 

一丸となって取り組みました。

 

 

最高の焼酎を抽出するために、

 

蒸留時間は短く設定しました。

 

 

結果として、10.8kgの酒粕から、

 

わずか720mlしか取れないという

 

贅沢でプレミアムな焼酎に仕上がりました。

 

 

◆補助事業で導入したマイクロ波加熱酒粕減圧蒸留装置

 

 

 

木樽熟成三年間

当社自慢の清酒「蓬莱」の酒粕を贅沢に用いたことにより、

 

ふくよかで、フルーティーな香りを持った

 

香り高い焼酎が誕生しました。

 

 

しかし、開発当初、香りは強いものの、

 

商品化するには、味わいに物足りなさを感じたそうです。

 

 

そこで、補助事業での開発終了後、

 

さらに熟成を行うこととしました。

 

 

5種類の木樽

（ミズナラ樽、シェリー樽、ブランデー樽、

バーボン樽、アメリカンホワイトオーク樽）

 

に3年間貯蔵・熟成しました。

 

 

そして、5種類の熟成焼酎をブレンドすることで、

香りだけでなく、味にも深みがある納得の焼酎となったそうです。

 

 

◆木樽熟成の様子

 

◆ブレンドの様子

 

 

新商品「わたなべ35 長期樽熟成 本格焼酎」誕生

2021年3月31日、ついに、

 

「わたなべ35 長期樽熟成 本格焼酎」

 

として販売を開始しました。

 

 

一般的な焼酎のアルコール度数が25%程度のところ、

 

35%という高いアルコール度数も

 

この商品の特長であるふくよかな香りを引き出すためのこだわりです。

 

 

補助事業に取り組んだ2016年から、

 

熟成期間を含め5年かかったが、

 

ようやく納得のいく最高の焼酎に仕上がった

 

と専務は言います。

 

 

 

 

「日本で一番 感謝と笑顔あふれる蔵」の挑戦は続く

新型コロナウイルスの影響により、

 

当社のある飛騨古川地域でも、

 

古川祭りの縮小など各種イベントの中止・縮小、

 

観光客の激減など、大きな影響を受けています。

 

 

 

しかし、こんなときだからこそ、

 

「日本で一番 感謝と笑顔あふれる蔵」にふさわしく、

 

人々に笑顔を与える商品やニュースを積極的に提供していきたい

 

と専務は言ってくれました。

 

 

 

新型コロナの影響は大きく、

 

飛騨古川地域を訪れる人々は、

 

まだまだ多くはありません。

 

 

 

しかし、2021年3月12日には、

 

HPをリニューアルするなど、

 

オンラインでも、商品、ニュース、

 

そして、笑顔を届けられる仕組みを強化しています。

 

 

 

皆さんも一度当社や当社HPを訪れ、当社の商品を体感してみては、

 

いかがでしょうか？

 

 

◆当社HP（https://www.sake-hourai.co.jp）

 

 

掲載内容についてのご質問などは、

G-Club事務局までお問合せ下さい。

 

お問合せはコチラ

 

※当サイトの内容、テキスト、画像等の無断転載・無断使用を固く禁じます。