イチオシ事例
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社会的課題を解決する新商品提案((株)丸治コンクリート工業所)
今回のイチオシ事例は、コンクリート二次製品の製造および販売を行っている
「株式会社 丸治コンクリート工業所」さんです。
専務取締役の原浩通さんに、
支援専門員の小寺弘剛が取材させて頂きました。
当社概要
丸治コンクリート工業所さんは、
昭和4年創業、90年以上の業歴を持つ、
コンクリート二次製品の製造販売会社です。
主な取扱製品は、道路用側溝や河川護岸製品、擁壁などで、
取り扱い製品は、3,000アイテム以上に及びます。
◆商品例①(道路用側溝)
◆商品例②(河川護岸製品)
◆商品例③(擁壁)
当社の強み
丸治コンクリート工業所さんの強みは、
新商品および新工法の提案力です。
自社開発あるいは、他社とライセンス契約を結ぶことで、
新たな技術の活用および、新たな商品ラインナップの充実を進め、
新商品を用いた新たな建設工法の提案を積極的に行っています。
新商品の開発・導入する基準として、
一番大切にしていることが、
社会的な課題を解決することです。
後述の新商品についても、
以下のような社会的課題に対応した商品です。
・土木・建設現場の人員不足
・インフラの長寿命化
・防災対応/災害復旧
・環境保全・保護
・労働安全
高耐久性コンクリート
例えば、取り扱い製品の一つに、
高耐久性コンクリートがあります。
(商品名:「MACリート」「ハレーサルト」)
これは、コンクリート原料(生コン)に、
様々な添加物を加えることで、
耐硫酸・耐塩害・耐凍害などの機能を付加したものです。
コンクリート製品が使用される環境に合わせて
これらの機能を付加することで、
コンクリート製品の寿命向上ひいては、
昨今の社会的な要請事項であるインフラの長寿命化に貢献しています。
ロードプラス
ロードプラス(簡易張出式道路拡幅工法)は、
山間部など道路狭小部における道路拡幅を目的とした製品です。
プレキャスト工法(あらかじめ工場でつくられた部材の使用)
であるため、工期や施工人員を大幅に削減することができます。
昨今増加する集中豪雨や地震などの災害による
道路の崩落の復旧においても、早期の道路開通が可能です。
◆ロードプラス使用例(高知県津野町)
補助事業の取り組み:GUブロック
平成26年度の補助事業を活用し、当社が新たに開発したのが、
新たな発想のガードレール基礎、中央分離帯である「GUブロック」です。
「GUブロック」最大の特長が、移動可能であるということです。
ブロック同士がプレートで連結されているので、
取り外しが可能です。
そして、リフト穴が空いているので、
ハンドリフターやフォークリフトを用いて、
素早く設置・撤去・移動が可能です。
◆GUブロック(置き式)の連結部
GUブロックの革新性
「GUブロック」の革新性や有用性は、
以下のような評価からもよくわかります。
・特許権3件、意匠権8件を取得
・国土交通省 新技術情報提供システム(NETIS)において、高位の「VE」認定を取得
・国土交通省 道路における雑草抑制技術 認定
・国土交通省 北陸地方整備局 標準図表 登録
・東日本高速道路 ITネットワーク 登録
その他、公的機関を中心に多くの認定・登録を受けています。
GUブロックの活用事例
移動可能という特長を活かして、災害復旧現場や工事中の現場、
あるいは、イベントなどで、特に活躍しています。
例えば、2020年7月の豪雨による
国道41号下呂市内の道路崩落においては、
緊急復旧工事の施工性向上に大きく貢献しました。
◆GUブロック使用例(国道41号復旧工事)
また、NEXCO中日本の
新東名高速道路6車線化工事(御殿場JCT~浜松いなさJCT間)でも、
1,500kmに渡り使用されました。
◆GUブロック使用例(新東名高速道路6車線化工事)
◆補助事業導入設備(GUブロック用の型枠)
新たな取り組み
丸治コンクリート工業所さんの新たな商品の開発・導入に関する活動は、
とどまるところを知りません。
2020年には、新たに工事安全帯(スリーエスガード)をリリースしました。
これは、NEXCO中日本、および、
大手コンクリート二次製品メーカーであるケイコン株式会社と、
丸治コンクリート工業所さんが、三社共同研究を行った商品です。
「GUブロック」の技術を応用することで、
強固なコンクリート安全帯でありながら、
移動可能で、容易に設置できるという特長を持っています。
既に、中央道八王子IC付近の工事などで利用され、
一般車両の突入から、作業員の安全を守っています。
「人口減少などにより、道路工事などの一般的な公共工事は、
今後ますます減っていくものと考えられる。
定番商品で引き続き地元に貢献するとともに、新たに発生する社会的課題に対応した商品を、
これからも積極的にリリースすることで、新たな価値を社会に提供していきたい。」
と原専務は、仰っていました。
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