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課題解決型パッケージメーカー((株)伊藤紙器)
こんにちは。支援専門員の小寺弘剛(こでら ひろたけ)です。
今回、ご紹介するのは、商品パッケージの企画・製造を行っている
「株式会社 伊藤紙器」さん です。
今回は、平成26年度補正ものづくり補助金の取り組みや当社の強みについて、
専務取締役の伊藤隆二さんに取材させて頂きました。
モノとしてのパッケージの製造にとどまらず、
顧客がパッケージに求める価値や機能に着目し、
パッケージを通して、顧客の「困りごと」を創意工夫で解決していく姿勢に
当社の強さを感じました。
当社概要
株式会社 伊藤紙器さんは、昭和24年創業、
紙パッケージの専門メーカーとして、商品パッケージの企画・製造を行っています。
お菓子類のパッケージの他、地場産業である水栓器具、
関の刃物や岐阜提灯など、幅広い商品のパッケージをつくっています。
「地域産業に対してパッケージに関するソリューションを提供する」ことを
目標に掲げており、それを実現するために、
「設計提案力」と「トータルサービス」の二つの強みを磨いてきました。
<当社の商品パッケージの例>
設計提案力
当社の強みの一つが、設計提案力です。
当社の商品パッケージのほとんどが、
顧客ごとのオーダーメイド品です。
商品パッケージの設計の際、
特にメーカーの力が試されるのが、内部パッケージのデザインです。
内部パッケージの形状は、
キズや破損から商品を守ること、
輸送容易性の向上など、多くの機能を持ちます。
商品の大きさ、形状、重量や強度などの物理的特性を考慮して、
顧客ごと商品ごとに丁寧に設計提案を行っています。
<内部パッケージの例>
(商品本体の他に、付属の部品なども収納できるように設計の工夫がなされています。)
省スペース化
当社のパッケージを使用するメリットの一つに、
省スペース化があります。
商品を衝撃から守る梱包資材には、他に、発泡スチロールがあります。
しかし、発泡スチロールはかさばるため、
保管には多くのスペースが必要です。
当社のパッケージは、ダンボール(紙)だけでできています。
先程のような複雑な形状の内部パッケージも、
組み立て前は、写真のような二枚のダンボールだけであり、
保管の場所をとりません。
<組み立て前のパッケージ>
作業効率向上
当社のパッケージは、作業効率向上にも有効です。
当社では、切れ込みや型抜き、切り落とし、山折り、谷折り等
パッケージに対する加工の工夫を行うことで、
組み立ての容易性などの工夫を行っています。
山折り部分と谷折り部分では、折り線が異なっており、
折り線に沿って組み立てることで、
すぐにパッケージが組み上がります。
<パッケージ組立の様子>
補助事業の取り組み
当社のパッケージは、多くの切込みや折れ線が入っており、
木型を用いて加工してきました。
現在もロットの大きいものは、木型で対応しています。
しかし、木型のコストなどから、小ロット品に対しては、提案が難しい状況でした。
<木型>
そこで、平成26年度補正ものづくり補助金を活用して、
設計CADシステムと縦型ツインカッティングマシンを導入しました。
木型が不要となるだけでなく、
木型の段取り替えにかかる手間なども削減することができ、
小ロット品への対応が可能となりました。
また、試作にかかるスピードも大幅に向上したため、
顧客に対し、より多くの提案が可能となっています。
補助事業終了後、さらにカッティングマシンを追加導入し、
2台体制で多くの受注に対応しています。
<導入設備:縦型ツインカッティングマシン>
トータルサービス
「設計提案力」と並ぶ当社の強みが「トータルサービス」です。
当社では、商品パッケージの製造・販売にとどまらず、
商品の包装や在庫保管、発送サービスも提供しています。
<当社のサービス提供体制>
受託包装の中でも特に、
サプリメントなどの健康食品や菓子類などの食品に力を入れています。
一般的な衛生管理はもちろんのこと、エアーシャワーの設置など、
同業他社では類を見ないクリーンな環境が整備されており、全国から受注を受けています。
<受託包装の様子>
商品のセットアップなどにとどまらず、
錠剤さらには粉体などの充填包装、
いわゆる一次包装にも対応しています。
今後、さらに衛生管理体制を強化し、
より高い品質管理が求められる商品の受託包装にも対応していきたいと、
伊藤専務は語ってくれました。
<ボトル充填の様子(左)、ラミジップ袋充填の様子(右)>
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