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お客様のニーズから差別化を実現

今回は、お客様のニーズを拾い上げ、いち早く設備投資を行う事によって、日本初を実現し差別化にも成功した「光洋段ボール株式会社」さんです。

支援専門員の石井 克成(いしい かつなり)がお邪魔してきました。

 

 

土岐市曽木公園

 

 

 

ワラで製品を包んでました

 

光洋段ボールの前身は、「水野紙器」。
現在の水野 雅仁 社長のおじい様が始められました。

 

創業当時から、地元の特産品である「美濃焼」製品の包装材の取り扱いをメイン事業とされていました。
創業当時は、「藁(わら)」で製品を包み流通させていたそうです。
そんな時代の中、いち早く「段ボール」の取り扱いを始められます。

 

そして、2代目社長の時代に法人化され、光洋段ボール株式会社が誕生。

2018年に現在の3代目 水野 雅仁 社長にバトンが受け継がれます。

 

 

バイクと車が好き

 

 

 

3代目社長は、高校の頃からバイクや車が大好きで、将来は整備士になりたいと思っていました。
この頃、特に光洋段ボールを継ぐというような事は考えていなかったそうです。

 

高校を卒業して京都に2年。

その後、ビジネス関係の専門学校に進学。

 

 

専門学校を卒業する時に、

 

「車関係の仕事がしたい」

 

とお父様に話しをされますが、あえなく玉砕。

光洋段ボールに入社します。

 

 

 最初はトラック

 

 

光洋段ボールに入社して、最初に言われたのは「配達」。

トラックを運転して配達する毎日でした。

 

水野社長はおっしゃいます。

 

社内外で、「息子だから」と周りから見られるのがイヤでした。
そう思われない為にはどうしたらいいかって、考えて出した結論が、
「より効率的に配達する」でした。

 

 

最初の3年間はトラックでの配達。
その後、工場の中に入り製造。

そして、営業に配属されます。

 

 

この頃、まかされたのは「新規開拓」

 

担当するお客様は一軒もなく、光洋段ボールのお客様が少ないエリアを中心に、飛び込み営業の毎日でした。

 

100軒に飛び込んで、成約にまでいたるのはせいぜい1~2件。

 

それでも、「ツライ」と思った事はなかったそうです。

 

 

新たなニーズ

 

 

日々、飛び込み営業を繰り返す中、水野営業マンは考えます。

 

 

 

小さいA式段ボールのニーズが多そうだ。

*A式段ボール:引越しや商品発送に幅広く利用される汎用性の高い段ボール

 

それも、「極小A式段ボール」

 

ウチで作れないのだろうか。

 

 

当時の社長であったお父様も同じ事を考えていた様で。

お父様が中心になって、機械メーカーと打合せを繰り返し。。。

 

そして、2004年。
日本初!!

 

「極小A式段ボール」製造が可能な、ミニ印刷製函機「ミニフレキソフォルダグルアー」の独自開発に成功しました。

*ミニフレキソフォルダグルアー
印刷、罫線(折り目)入れ溝切りを行う「フレキソ印刷機」
折り曲げ、貼り付けを行う「フルダグルアー」
指令枚数で結束を行う「結束機」
から構成されています。

 

当時の水野営業マンは、営業をしながら製造現場に入っていましたが、この機械が本格稼働を始めると新たな注文が殺到。

 

製造が間に合わない状態になり、ほぼ製造現場に入る毎日となりました。

 

さらなる要求

 

日本発のミニ印刷製函機「ミニフレキソフォルダグルアー」は、順調に稼働し光洋段ボールの業績も順調に推移しました。

 

「極小A式段ボール」が当たり前になってくると、光洋段ボールのお客様から新たな要望が届く様になりました。
同時に機械の経年劣化も重なり、不良品の発生率が高くなってきました。

 

水野専務(当時)は、考えます。

 

 

「ミニフレキソフォルダグルアー」の中の「フォルダグルア―」部を新しくしないと不良率を低くすることはできない。

 

しかし、「フォルダグルア―」を新設し、現行の「ミニフレキソフォルダグルアー」に設置するには、相応の費用が必要となります。

何か良い方策はないかと考えていた時に「ものづくり補助金」の事を知ります。

 

「新型フォルダグルアー」の導入

 

平成26年度補正ものづくり補助金に応募し、見事に採択されました。

 

<事業計画名>
「新型フォルダグルアー」の導入による不良率低減と生産性向上

 

<課題>
現状設備では、折り曲げ・貼り付けを担う「フォルダグルア―」の折り曲げ精度にバラツキがあるため、貼り付け時にジョイント(つなぎ)不良が発生する。

 

<解決策>
自社用にカスタマイズした新たな「新型フォルダグルアー」を設計・開発、導入する事で課題解決をはかる。

 

<成果>

新型フォルダグルアー導入の結果、不良率の低減を実現し、作業員を減らす事ができ、結果、製造コストの低減が実現した。

 

導入した設備

 

 

 

新たな課題が

 

ものづくり補助金で導入した「新型フォルダグルア―」は順調に稼働し「極小A式段ボール」も順調に推移してきました。

 

しかし、今度は、「フレキソ印刷機」が老朽化の為、新たに導入する必要が出てきました。
こちらの方は、緊急性が高かった為、補助金を活用せずに自社にて全てをまかない2020年から順調に稼働しています。

 

 

 

 

直近では、コロナ渦の影響を受け受注案件が少なくなってきています。
しかし、これまで培ってきた技術力と信用で大きな落ち込みもなく推移しております。

今後も、段ボールの可能性を追求して新たな取り組みに進まれる事と思います。

ますます、楽しみな事業者さんです。

 

最後に。
お忙しい中、取材にご協力頂きました水野社長。
本当に、ありがとうございます。

 

 

 

 

 

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