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EC歴13年の機械部品メーカー((株)岩田製作所)

今週のイチオシ事例は、株式会社岩田製作所です。

支援専門員の矢橋

ECを駆使して成長している当社の製造現場を取材してきました。

 

 

 

 

当社が2008年にEC(インターネット通販)を始めてから

 

13年経ちました。

 

2008年は、

iPhoneが日本で初めて販売された年であることから、

日本のスマホ元年といって良いでしょう。あるいは、

リーマン・ショックが起きた年でもあります。

 

いずれにしても、なつかしいですね。

 

そんな当社の、ECを前面に押し出した

自社ウェブサイトはインターネット通販サイトか?と

 

思える程です。

 

 

 

試しに、

「機械部品 通販 特注」と検索してみると、

 

一番最初に表示されます。

他にも様々な同業他社が多々あることを考えると、

とても多く閲覧されたり、

しっかりSEO(検索エンジンへの最適化)対策がなされている

といえます。

 

これだけECによる販売を前面に押し出している製造業の事業者さん

はめずらしいと思って、戦略やビジネスモデルなどを聞いてみると、

 

非価格競争に徹する(価格競争はしない)

 

という基本戦略があり、そのために、

 

・スピードを競う

 -32,000(!)アイテムの在庫を常に持ち、

 -受注した翌日に顧客に届くようにする

・ニッチを狙う

 -大企業にとっては市場規模が過小なアイテムに特化する

 -ニッチトップを目指す

・特注品にも丁寧に対応する

 -ECの顧客には有人対応もする

 -営業部の開発チームが顧客の要望(イメージ)を早く図面化/試作品化する

 

という戦術、ビジネスモデルを取っていて、

 

自社ECサイトはそのための仕組みの一つ

 

だということです。

 

 

戦略やビジネスモデルのお話を先にしてしまいましたが、当社は

機械/FA部品・安全対策品・塗装治具の構成部品のメーカー

 

です。

用途は、産業用ロボット、コンベア、食品機械などの一般産業機械

であるため、知らないうちに当社の製品のお世話になっているかも

しれませんね。

 

*FA:

ファクトリー・オートメーション

(工場における生産工程の自動化を図るシステム)

 

 

そんな当社の

主要製品の一つは「セットカラー」

 

です。どういうものかというと、

・主に軸(シャフト)に取り付け、ベアリングやプーリー等の位置を固定させる役割を持つ

・その他にも、プレートやブラケットの取付、ドグや位置決めストッパー等、様々な使い方

 がある

・種類や形状も多種多様で、組み付け後の脱着が簡単なセパレートカラー、クサビで締め付

 けるクサビカラー等がある

 

というものであり、次の写真がその一つです。

 

 

当社はメーカーですから、ECサイトの前に、当然に、

 

しっかりした製造現場があり、日々、

品質・原価・スピード(QCD)の改善に取り組んでいます。

 

そこにはやはり

ものづくり補助金

 

が活用されていて、

 

まず、平成24年度ものづくり補助金により、

セットカラーの製造のための「座ぐり専用機」を”自社”開発しました。

 

セットカラーには座ぐりという、金属をえぐったような形に削る工程

があるのですが、

 

・従来比、加工時間を短縮するとともに省人化

・精度向上と加工可能材料の増加による用途面での汎用性の向上

 

をこれにより実現しました。

 

<セットカラー製造工程>

 

<工程の第1段階:丸い棒状の素材を輪切り>

 

<座ぐり部分>

 

<平成24年度ものづくり補助金で”自社”開発した座ぐり専用機>

 

 

次に、平成25年度ものづくり補助金により、

マシニングセンタと高精度画像測定器を導入して、セットカラーに限らず、

多種多様な特注品についての、

 

・内径/外径などの寸法値の0.01mm単位での対応

・加工時間および加工コストの半減

 

をこれにより実現しました。

 

<特注品セットカラー:厚みや形状も顧客ニーズに応じて対応可能です>

 

<特注品:こんな大きく幅のあるセットカラーもあります>

 

<平成25年度ものづくり補助金により導入したマシニングセンタ>

 

 

 

さて、EC、ECというけれど、

世の中どれだけEC化しているの?

 

と思われたことでしょう。

これにはちゃんとした統計があります。

 

経済産業省の

「令和元年度内外一体の経済成長戦略構築にかかる国際経済調査事業

(電子商取引に関する市場調査)」(2020年7月22日公表)によると、

 

BtoB(企業者間取引)は31.7%がEC化しています。

 

BtoC(消費者向け取引)は6.76%がEC化しています。

 

いずれも増加基調が継続しています。

 

 

 

読者の企業経営者の皆様もECの活用をお考えのことと思いますが、

 

今からゼロから自社で立ち上げるだけでなく、

 

このような、

同じ分野でEC販路を確立している企業があれば、

 

・業務/資本提携をして、

・顧客基盤などを共有するプラットフォームとその利用者として

・共存共栄を図ること

 

も場合によっては選択肢か、と思います。

 

 

 

 

 

 

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