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ものづくり企業の販促
ものづくり支援専門員の石井です。
支援専門員が、毎週、それぞれの得意分野に関するラーニング記事をアップする企画。
私からは、過去2回ほど、インターネットを活用した販促についてご案内してきました。
・ 第1回:販促ツールとしてのインスタグラム
・ 第2回:ホームページは必要ない?!
どちらかというと「BtoC」ビジネスを展開されている事業者様をイメージしてきました。
今回は、一度、インターネットから離れて「販促」について考えてみたいと思います。
第一線の営業マンでした。
実は、私、社会人生活の最初は、「営業マン」でした。
最初に就職した会社は、中堅商社。
(今では東証一部上場企業ですが)
最初の赴任地が東京で、担当したのは大手自動車メーカー。
ほぼ毎日、神奈川県にある工場に営業活動に出かけてました。
私の仕事は、工場の中の生産設備の注文をもらう事。
日々、工場の中をうろつき生産技術やライン保全の方をつかまえては、世間話を交えつつニーズの掘り出しを行っていました。
今では工場の中を勝手にうろつく事もできないでしょうね。
今、思えば。
この時、私が行っていた事は。。。
・ 工場の中をうろついてお話しを聞く
→ 顧客ニーズ(課題)の収集
・ ニーズ(課題)の解決策を提案
→ 解決策を提案する事で顧客ニーズ(課題)をウオンツに
売上を上げる為に、
・ 一つでも多くの顧客ニーズ(課題)を拾う
・ 一人でも多くの顧客と会って、いろいろな話をする
事を課していました。
売上とは?
この計算式、ご存知ですか?
売上=客数×客単価×購入頻度
売上を分解すると上記の様な計算式になります。
わかりやすい例で言うと、例えば飲食店。
客数=来店客数
客単価=料理の金額
購入頻度=来店頻度
と、置き換えるとわかりやすいかと思います。
来店客数を増やして、高い金額の料理をご注文頂いて、頻繁に来店してもらえれば売上がアップしますよね。
これを、私が営業マンの時の事に置き換えてみると、
客数=会って話をする顧客を増やし、
客単価=少しでも金額が高く、魅力的な解決策を提案し、
購入頻度=複数個所で展開できる提案を持っていく
という様な形になるでしょうか。
当時の私は、そんな事考えてなかったですけどね。(^^;
売上を上げるためには
営業マン時代、当然、ノルマがありました。
毎月、月末近くになると胃が痛くなる想いで過ごしていました。
当時は、
「精神論で売上を上げる。」
感じでした。
例えば、
「来期の売上は、今年の10%アップを目標とします!」
と、ほぼ根拠のない数字を上げて、
「頑張りますっ!」
と宣言していました。
そして、ヤミクモにお客様を訪問していた様に思います。
今、私が営業マンだったら。。。
・ 見込み客リストを集める
・ 扱っている商品、サービスに付加価値をつける
・ 可能な限り、数多く売れる商品。頻繁にご購入頂けるサービス
を考え、できる所からそれぞれ数字に落とし込んでいき、その上で目標数字を決めたと思います。
例えば。。
「売上10%UP」
が、至上命題だとしたら。。。
客数(105%)×客単価(105%)×購入頻度(100%)
105%×105%×100%=110.25%
つまり、それまでご注文頂くお客様の数が100人だとしたら、105人になるように。
平均客単価が、100万円だとしたら、105万円になるようにする。
その結果、売上は従来の110.25%になります。
もちろん、実際、この通りに物事が運ぶほど世の中は甘くありません。
しかし、
「頑張ります!!」
と気合を入れているだけより
「お客様からの注文を5件増やし、単価を5万円増やす」
とした方が動きが具体的になるかと思います。
実際にどうするか?
実際の営業の現場では、客単価をあげたり、購入頻度を上げるという事はなかなか難しい事です。
なので、売上を上げるための基本方策は、「客数を増やす」事にあります。
BtoBの営業現場では、商品やサービスによって営業スタイルが大きく2つに分かれます。
・ ルート営業
私の営業マン時代はこれでした。
会社から担当企業を決められ、その企業から注文を頂く活動をします。
ここで重要視されるのは、担当企業との人的パイプを太くする事です。
つまり、顧客との人間関係を築いていく事が営業マンに課せられます。
・ 新規営業
常に新しい顧客を開拓する事が求められます。
古くは「飛び込み営業」なんて事も行われていたかと思いますが、現代では、様々な方策を活用して見込み顧客のリストを作成し、顧客になってもらう為のアプローチを行っていきます。
見込み顧客のリスト化というのは、今も昔も変わりありません。
私自身の体験ですと、基本は「ルート営業」だったので、新規営業はあまりありませんでした。
それでも、既存顧客だけでは売上が維持できない時は、新規営業が必要になってきます。
当時は、インターネットもありませんでしたので、ターゲットとする業界の企業リストを手に入れて、めぼしい企業に電話をかけアポイントを取って訪問する、という泥臭い営業を行っていました。
現在では、インターネットを活用した「マーケティングオートメーション」なんていう方法もあります。
でも。。。
どんなにマーケティング理論が発達し、どんなに便利なツールができたとしても。。。
最後は、人間対人間。
営業マン一人一人の能力が問われます。
特にBtoBビジネスにおいては、
特に高額商品であればあるほど。。。
やっぱり、最後は「人」
営業の世界では、これに尽きる、と思います。
ある営業主体の事業者さんがおっしゃってました。
「ウチは、人間的魅力で売ってるのでクレームがない」
この会社はものづくり企業ではなく、商材を探してきて、販売する会社です。
大手の営業代行もされてます。
さぞかしITを駆使して営業活動を実践しているのかと思っていたのですが。。。
お話しを伺ってみると、ドロ臭いドブ板営業を繰り返していました。
新規顧客のリストを手に入れ、その中から売りたい商材を欲しているであろう企業にしぼり、営業をかける。
何回も足を運んで人間関係を作り上げていった上で販売するから、
「クレームがない」
と、おっしゃるのです。
ビジネスの世界。
特に、営業の世界では、最後は「人」に行きつくのではないかと思います。
<今回のまとめ>
BtoBビジネスにおいて、売上を上げる為には、
・ 顧客リストを手に入れる
展示会出展や、インターネットの活用 等々
・単なる顧客リストから見込み顧客に
ターゲットを絞り、DM・テレアポ・訪問等を行って「見込み顧客」としてリスト化
・ 「見込み顧客リスト」に向けた営業活動
基本、訪問して受注に向けた営業活動を行う
現在の営業活動の現場は、コロナウイルスの影響で、リアルに顧客と接する事が難しくなっています。
こういう時だからこそ、インターネットを活用した営業活動を模索する必要があると思っています。
営業関係で、何かお困り事等がありましたら、お気軽にお問合せ下さい。