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イチオシ事例

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業界の常識を超えろ!

今回のイチオシ事例は

 

時代の変化に合わせて変遷する顧客ニーズを的確に捉え、

高い技術力と丁寧な仕事でお客様のベストパートナーとして活躍されている

株式会社奥田」さんです。

 

 

皆様、こんにちは。

支援専門員の野村昌史(のむらまさふみ)です。

 

今月は、最高の技術力と真心を武器に、

今なお、常に挑戦を続けている事例を紹介させて頂きます。

 

『真心を色に』というスローガンを胸に、変化と成長を続ける姿から、

多くの学びを得ることができると思います。

 

OKUDA’S HISTORY

1970年 美濃市大矢田にて奥田製作所を創立。ゴム加工事業を開始。

その後、顧客ニーズの変化に合わせて、主たる業務をゴム加工業から家具塗装、プラスチック塗装へと変化させてきました。

 

主業務を変化させることは大きなリスクと負担が伴いますが、それを乗り越えていく中で最も大切にしたのは『地域の皆様やお得意様、協力工場様とのご縁』。

 

この精神を常に抱いていたからこそ、扱う商品が変化しても、多くの皆様から変わらない支援を受けながら50年という長きに亘って事業を継続してくることができたのです。

 

現在は、自動車内外装品の塗装を主軸としながら、シャワーヘッド等の住宅関連部品のプラスチック塗装や、令和元年から新たに取り組んでいる医療分野での抗ウイルス塗装など、高い塗装技術を武器に、業界を跨いで成長・拡大を続けています。

 

 

OKUDA’S PHILOSOPHY

遡ること11年。
リーマンショックの影響が残る2010年に、代表取締役に就任したのは奥田篤史社長。

 

先代の急逝による突然の代表者変更でした。
リーマンショックの影響で、売上が低迷する中で弟である専務や社員と協力しながら取り組んだのは“徹底した品質重視“と”積極的な自動化“。

 

この取り組みが功を称し、5年間クレームゼロを達成。取引先から非常に高い評価を頂いたことはもちろん、海外メーカーからも引き合いを頂けるようになりました。

 

 

この成功の背景には、奥田篤史社長が掲げた「経営理念」と「社訓」の存在がありました。

 

【経営理念】

我々は

創業者の思いを忘れず、

会社の発展と社員の幸福を

図ると共に社会の繁栄に

寄与します。

 

【社訓】

必ずできる!

と思うこと。

 

1.自分の力を出し切れる

2.迷いがなくなる

3.高い壁が低くなる

4.失敗もプラスにできる

5.周囲を勇気づけられる

6.心の壁も乗り越えられる

7.道はどんどん広がっていく

8.空想ではなく現実の道筋が考えられる

 

やってみないとわからないからこそできると思うことに意味がある

 

 

急な代表者変更や世界的な大不況という厳しい状況を乗り切ることができたのは、『明確な目的』と『具体的な指針』があったからに違いありません。

毎週木曜日に開催している品質改善会議

 

CHALLENGE~業界の常識への挑戦~

 

プラスチック樹脂塗装の業界では、エアスプレーガンによる塗装が一般的であり、その塗着率は30%程度と言われています。つまり、70%もの廃棄が常識という業界なのです。

 

当社は技術力を高めることで、塗着率の改善に取り組んできましたが、それでもなお50%の塗着率に留まっており、まだまだ改善が必要な状態でした。

 

これに加え、当社の扱う製品は自動車のバンパーなど、大型製品の塗装が主力となっているため、特に最終製品としてエンドユーザーの目に触れる部位については塗着過多や埃の付着など塗装品質を細かいレベルで厳しく判定されます。

 

このような背景から、不良による廃棄ロスが大量に発生しており、これを解消するためにも「業界の常識」への挑戦が必要となりました。

 

CROSS OVER~業界の常識を超えろ~

 

廃棄70%という業界の常識を変えて、プラスチック樹脂塗装の業界で当社がニッチトップとなるためには、技術面・コスト面において4つの課題をクリアすることが求められました。

 

【4つの課題】

◆エアスプレーガン塗装の低い塗着率の向上

◆品質向上による不良率の低減

◆塗装サイクルの短縮による量産対応

◆廃棄ロスによる環境負荷の低減

 

当社がお客様から依頼されているプラスチック樹脂塗装は、大小様々な形状の製品に対して均一に塗料を吹き付けていくものです。

 

複雑な形状の製品に対して均一且つ高品質の塗装を量産対応で実施するためには、塗着率の向上だけでなくこれらの課題をクリアする必要があるため、平成27年度補正ものづくり補助金を活用して2つの設備を導入しました。

 

塗装ロボットEPX2800-A000◀

可動時の気流を自在に操作できる機能を持ち、塗着する対象の形状に合わせて塗装範囲を変えることができる塗装ロボット

 

高速回転霧化自動ガンASG210◀

塗装ロボットの付帯設備であり、高い塗膜品質の実現と被塗装物の大きさや形状に合わせて最適なパターン幅が設定できる高速回転霧化自動ガン。

 

さらに、今回の事業では、設備を導入するだけでなく、様々な製品に対して高品質且つ短時間での塗装を実現するため、塗装データの収集およびプログラム作成を行い、検証を行いました。

 

 

ACHIEVEMENT

 

塗装ロボットと付帯の高速回転霧化自動ガンを導入したことにより、業界の標準を大きく上回る塗着率を実現し、高品質・短時間でのプラスチック樹脂塗装を実現しました。

 

具体的には、従来は幅が一定であった塗装範囲が、加工物の幅に合わせた噴射パターンで塗装可能となったことで塗料の使用量が30%削減されました。

 

また、目標としていた塗着率70%の実現、塗料ロス30%の削減を達成し、塗装コスト全体が30%削減しました。

 

さらに、新ロボット導入に伴い作業レイアウトを変更したことで、作業員が動くことなく加工物の脱着作業を実施できるようになったことで、埃の付着が減少し不良率が5%低減しました。

 

この取り組みの成果として、塗着率が業界平均と比較して2倍以上となったことで、特にコスト面において他社との差別化を図ることができました。そして、塗装品質が向上したことで、不良率低減による廃棄ロスの削減や、塗装サイクル短縮による短納期対応など、当社が抱えていた様々な課題を解消することができました。

 

当社の収益性を改善しつつ、対応可能な案件が増加したため、お客様の求めていた高品質化と低コスト化に対応する体制の構築ができました。

 

 

NEXT CHALLENGE

 

今回の取り組みによって、プラスチック樹脂塗装業界の常識を超える塗着率を実現し、高品質・低コスト・短時間での量産体制が構築できました。生産性が大きく向上し、稼働状況に余裕が生まれたため、自動車関連業界以外への進出に向けたPR活動に力を入れています。

 

すでに、新型コロナウイルスにも対応した抗菌機能を備える特殊塗料を塗装する案件の獲得など、医療分野への展開を実現することができています。

 

また、社会貢献活動の一環として、美濃市が運営するデイサービスセンター内の食卓テーブルに抗ウイルス塗装を施すなどの活動も行っています。

 

これからも、「単純に色を塗るだけ」の塗装ではなく、お客様の期待を超える付加価値の高い塗装サービスを提供し、より多くの業界への進出を目指していきます。

 

真心を色にする

今後もご縁も大事にし、全社員の情熱と意識を高く持つと同時に塗装のプロフェッショナルとして、「真心を色にする」仕事を継続することで、今まで以上に皆様から愛されるベストパートナーを目指していきます。

 

 

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