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『優しい会社』であり続けるための挑戦 (株)曽我木材工業

今回のイチオシ事例は

『何でも貼れるラッピング技術』を活かして、
住宅内に使用される木製の造作材を加工・販売している
株式会社曽我木材工業(曽我木材工業)」さんです。

 

皆様、初めまして。
支援専門員の野村 昌史(のむら まさふみ)です。

今月から、私のイチオシ事例も紹介していきます。
皆様の取組みに気づきがある内容をお届けしますので、
楽しみにしていて下さいね。

 

<曽我木材工業の歴史>

 

1971年 恵那市にて曽我木材の前身となる製材所が生まれました。

 

創業以来、東濃ヒノキや杉などの木材を使った住宅内部造作材の加工販売を行ってきましたが、お客様に伴走しながら歩んでいく中で、ニーズの変化に合わせて取扱品も変化し、現在はオレフィンラッピング製品の製造加工が主力事業となっています。

 

オレフィンラッピング製品とは、樹脂と木材を混ぜ合わせたMDFと呼ばれる基材に、本物と見分けがつかないクオリティのシートを貼った化粧材で、住宅の造作材などに使用されています。

 

<曽我木材工業が大事にしていること>

 

令和元年8月より先代から経営を引き継いだ曽我ちづる社長は、ロゴデザインと会社案内を刷新しています。このロゴには、資金や技術力といった財産を残してくれた先代や協力会社のご担当者様、そしてお客様に何度も救われてきた社長自身の感謝の思いが込められています。

 

「感謝の気持ちを忘れず、皆様と共に成長していきたい」こんな想いをもって、社員や取引先など、関わって頂ける全ての皆様から「優しい会社」と言われるようになりたいと日々、邁進しています。

 

 

<業界の変化に対応する新たな挑戦>

 

従来より業界平均の倍となるMAX60m/分でのラッピングを実現することで、製品の安定供給を実現してきました。

 

しかし、数年前より業界内に「邸別」という概念が浸透し、小ロットでの生産が求められるようになりました。これに加え、造作材の「プレカット化」が進んだことで、お客様側で在庫を持たず、各建設現場が必要なタイミングで必要な製品を工場から邸別配送する流れが生まれたのです。

 

その結果、さらなる多品種少ロット生産や短納期対応を要求されるようになり、繁忙期には生産能力を超えた受注を抱え、生産性が大きく低下するといった問題が生じていました。

 

 

これに対応するため、これまでの量産体制に加え、多品種小ロット体制に対応できる体制の構築に挑戦しました。長年培ってきたラッピング加工技術に『プレカット設備』を融合することで生産から配送までの流れを強化し、ニーズに合わせた体制を構築したのです。

 

 

<量産×多品種小ロット生産体制を実現するために>

 

造作材のプレカット化と邸別発送化というお客様のニーズに対応するためには、いくつかの課題をクリアする必要がありました。

 

【クリアすべき課題】

◆生産能力の高レベル化

◆多品種小ロット化に伴う人的ミスの軽減

◆作業者間の情報共有

 

これらの課題に対応するため、ものづくり補助金を活用して2つの設備を導入しました。

 

 

~自動クロスカット機~

小ロットで複数の製品を加工する際、一つ一つ職人による手作業で加工していては、生産が追いつきません。これを解消するために手作業と同等以上のレベルで加工することができる自動機を導入し、生産能力のレベルアップを図りました。

 

~QRコードを用いた生産管理システム~

製品点数が増えることで、加工データの投入時に人的ミスが発生するリスクがあったため、QRコードを読み込むだけで自動的にデータを入力し、管理できるシステムを導入することで、人的ミスの軽減を図りました。

 

さらに、今回の事業では、設備を導入するだけでなく、各設備に関する作業マニュアルを作成し、研修を実施することで業務知識やノウハウの共有を行いました。

 

<挑戦の成果>

 

自動クロスカット機とQRコードシステムの導入により、加工時間を68.8%短縮、カット工程数を半分に削減できました。また、シートの欠けが無くなったことで歩留率が平均90%まで向上し、高レベルの生産能力を確立することができました。

 

さらに、コンピュータ制御による自動化により人的ミスがゼロになったほか、作業員の時間外労働が削減できるなど、労働環境の改善や、労働生産性の向上にも繋がりました。

 

 

今回の挑戦で、短納期対応が可能となったほか、出荷量を調整することによる物流費のコストダウンも図れるようになりました。

 

これにより、住宅業界のプレカット化と短納期需要が増す中、品質の安定化と多品種小ロット生産の体制が構築できたため、取引先となる各ハウスメーカーの要望に柔軟に応えられる状態となりました。

 

<曽我木材工業のこれから>

 

 

「量産体制」というこれまで積み上げてきた当社の強みと今回構築した「多品種小ロット体制」を融合し、この両方を強みとして活かすことで、大手ハウスメーカーにも臆することない会社を目指して挑戦を続けていきます。

 

今後は、ますます邸別対応が求められるようになり、メーカーがピッキング作業を実施して、現地直送という時代がやってくると考えています。これを見据えて、当社でもピッキング工場を構え、取引先に対してPRすることで、新規顧客獲得による事業拡大を目指していきます。この造作材プレカット工場兼ピッキング工場は、現在建設しており、まもなく完成する予定です。

 

そのほかにも、昨年10月からは、木質系以外のスチール・アルミ素材へのラッピングを開始するなど新しい挑戦にもチャレンジしています。

 

 

感謝を忘れることなく、新たな挑戦を。

曽我木材工業は、これからも社員一丸となって成長し続けていきます。

 

 

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