イチオシ事例
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デザイン力と印刷技術で地域と企業を応援する総合印刷会社(ヨツハシ 株式会社)
今回のイチオシ事例は、ラベルやパッケージなど中心とした
印刷物を手掛ける「ヨツハシ 株式会社」さんです。
平成26年度補正ものづくり補助金を用いて取り組んだ
箔押しサービスの小ロット対応の取組内容を中心に、
常務取締役の四ツ橋憲彦さんに、支援専門員の小寺弘剛が取材させて頂きました。
当社概要
ヨツハシさんは、大正15年創業、今年で創業95年を迎えた印刷会社です。
特に、酒造業界との関係性が強く、
全国各地の酒造メーカーへ、酒のラベルやパッケージなどを販売しています。
その他、一般企業や官公庁向けのパンフレットやポスター、
出版物など、印刷物全般に対応しています。
また、近年では、ホームページや電子ブック、動画制作など、
電子媒体やWEB媒体など、幅広い宣伝媒体の制作にも取り組んでいます。
<当社外観>
<当社取り扱いラベルの例>
当社の強み
ヨツハシさんの強みは、
100年近い歴史の中で培われた確かな印刷技術や品質
そして、それに裏打ちされた信頼はもとより、
印刷物を含めた宣伝媒体トータルの企画・提案力にもあります。
中心となる「ラベル・パッケージ事業」の他に、
「広告宣伝事業」「地域活性化事業」を有しています。
「広告宣伝事業」では、印刷物の他、WEBや動画コンテンツの制作など、
広告宣伝のトータルソリューションを提供しています。
最近では、商店向けのWEBサービス「デジ+」を提供しています。
これは、QRコードを用いて、顧客に対して、
くじやクーポン、イベントやキャンペーン情報などの
提供を行うことができるサービスです。
非接触で情報提供できるため、
昨今の新型コロナ禍にマッチしたサービスです。
「地域活性化事業」では、岐阜に密着した生活情報誌「月刊ぷらざ」を発行しています。
企画から取材、原稿作成、デザイン・印刷まで、ヨツハシさんで一貫制作している本誌は、
今年で創刊30周年となりました。
現在では、紙媒体だけでなく、
WEBコンテンツ「月刊ぷらざ」サイトや、ブログ・SNSと連携し、
岐阜地域の最新情報や暮らしに役立つ情報を提供しています。
補助事業の取り組み経緯
ヨツハシさんの顧客である酒造メーカーでは、
従来1.8Lの一升瓶など大容量の瓶で、
大量生産するのが、ほとんどでした。
しかし、顧客ニーズの多様化、
ニーズ変化スピードなどに対応するため、
昨今では、720mlを中心とした少量サイズを
小ロット・多品種生産でリリースすることが、増えています。
また、高級酒を求める傾向も強くなっており、
酒のイメージを伝えるラベルやパッケージにも、
従来以上の高級感を醸し出すデザインが求められています。
パッケージに高級感を出す工夫の一つが、
今回の取り組みテーマとなった箔押しです。
当社では、補助事業以前より、
箔押しサービスを実施していました。
しかし、外注を利用したサービスであったこと、
また、大量生産向けのオフセット印刷用の
箔押しサービスがメインであったこと、などから、
上記のような多品種・小ロット品への対応は、
十分とは言えない状況でした。
補助事業の概要
ヨツハシさんでは、上記の問題・課題を解決し、
小ロット・多品種向けの箔押しサービスを実現するために、
平成26年度補正ものづくり補助金を用いて、新たな箔押し機を導入しました。
新たな箔押し機は、オフセット印刷よりも
小ロットに向くデジタル印刷に対応したものです。
補助事業では、設備導入とともに、
様々な作業条件(気温や湿度、紙の素材など)、
様々な加工条件(熱板の温度や圧力、押し付け時間など)
で試作を繰り返し、最適な条件をノウハウとして蓄積しました。
また、一般的な箔押し機は、座って作業する仕様ですが、
立ったまま作業できるように仕様変更することで、作業効率を高めました。
<補助事業で導入した箔押し機>
補助事業の成果
補助事業の取り組みにより、顧客からニーズが増加する
小ロット品への箔押しサービスが可能となりました。
従来、1ロット1,000枚程度が必要でしたが、
現在では、1ロット100枚程度でも、
箔押しサービスを提供することが可能となっています。
また、従来、デザイン確認用の見本は、
デジタルデータで代替えしていましたが、
一枚からの試作が可能となったことで、
実際の箔押しを行った現物に近い見本
の提供も可能となっています。
結果として、酒造業界など顧客が抱える
ニーズ多様化やニーズ変化対応への課題解決に、
パッケージ面から貢献することができるようになっています。
<箔押しした商品の例>
補助事業終了後の展開
補助事業の取り組みを通じて、
箔押しの加工ノウハウを社内に蓄積したヨツハシさんでは、
さらに大ロット品の受注対応力強化にも取り組みました。
補助事業終了後には、大ロットに対応可能な
自動箔押し機2台を追加導入しました。
また、現在では、紙だけではなく、
桐箱などへの箔押しも可能となっています。
箔押しサービスの対応力を武器に、
酒類以外の食品パッケージや記念誌の表紙、名刺などに、
箔押しサービスの対象を広げています。
<追加導入した自動箔押し機>
最近の取り組み
ヨツハシさんでは、新たな取り組みとして、
カードゲームの開発を行っています。
同社の若手社員が中心となって、
ストーリー制作からルールづくり
キャラクターデザイン、イラスト制作、
テストプレイ、そして印刷まで、全て社内で行っています。
構想から1年、2021年8月に、販売開始されました。
その名も「神さま日本酒でございます」
「米」「麹」「水」「酒類」の素材カードを集めて、
日本の神様と協力して、日本酒をつくり、
海外の神様をおもてなしするという内容です。
若手社員の熱意や工夫がつまった本格的なカードゲームで、
発売から既に500セット以上が売れています。
また、カードゲーム通販サイト
「kamiasobi(カミアソビ)」も開設しました。
「神さま日本酒でございます」が販売されている他、
第二弾のカードゲームも現在開発中とのことです。
カードゲーム通販サイト「kamiasobi(カミアソビ)」
(https://kamiasobi.theshop.jp)
ヨツハシさんのカードゲームは、上記通販サイトの他、
カルコスさん(書店)、長良川デパートさん(土産店)、
酒造店さんなどでも販売しています。
取扱店舗を募集中とのことですので、ご興味のある方は、
上記サイトを通じて、ご連絡ください。
また、「ポストカード日和。」の販売を開始しました。
これは、岐阜の美しい風景を切り取った
「ぎふまちスケッチ」のイラストをポストカード化した商品です。
「新型コロナウイルスの影響で、
人との接触や地域の魅力に触れる機会が減少している。
こんなときだからこそ、カードゲームやポストカードなど、
これまでとは違った形で、日本酒の魅力や岐阜地域の魅力を発信したい。
それにより、お客様や地域の活性化につながればと思う。」
と常務さんは言っていました。
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