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自由診療。あえてイバラの道を突き進む歯科医

岐阜市で自由診療に取り組まれているノアデンタルクリニックさん。
支援専門の石井克成(いしい かつなり)がお邪魔してきました。

 

何故、自由診療?

 

 

 

ノアデンタルクリニックのホームページには、トップページに下記の記載があります。

 

歯の神経は抜いてはいけません!
絶対に。
当院は保険による制限のない、
患者様のための歯科医療を全力で行います。

 

 

 

ノアデンタルクリニックは、「保険診療」ではなく「自由診療」を標榜されています。

ノアデンタルクリニックの渡辺院長は、おっしゃいます。

 

岐阜県内で「完全自由診療」で営業しているのは、当院だけだと思います。
(矯正歯科専門医は除いて)
全国的にみても、200軒くらい。
それも、東京・神奈川に集中しています。

経営の事を考えると、「保険診療」を選択した方が賢いと思います。
「予防歯科」として完全自由診療を貫くのは、イバラの道です。

 

実は、渡辺院長とは平成26年度補正ものづくり補助金実施時からのお付き合いです。
もう5年以上のお付き合いなのですが、初めて、渡辺院長の「完全自由診療」に対する想いを伺って「歯医者」に対する考え方が大きく変わりました。

 

そして、

 

そもそも何故、歯医者になったの?

 

という疑問がわいてきました。

 

人の役に立つ仕事

 

 

渡辺院長のお父様は医師だそうです。

渡辺少年は、子どもの頃から、

 

平日週末問わず父が家に帰ってこないことへの寂しさみたいな気持ち

 

を持ち、

 

医者の子供なんだから将来医者になるんでしょ?

 

という世間の目にさらされ、

お父様の背中を見て、

 

人の命に関わるのが不安だった

 

そうです。

 

高校3年生になり、進学先を決める時、渡辺青年はこう考えました。

 

人の役に立つ仕事がしたい。
細かい作業が嫌いではない。

医者以外で。

 

そして、選んだのが「歯医者」への道。

 

大学を卒業し大学院に進んだ渡辺青年は、ある歯科医院でアルバイトを始めます。

ここで出会った先輩歯科医の考え方に共鳴した渡辺青年は、以降、様々な勉強会に出席して積極的に勉強を始めます。

 

先輩歯科医は、

 

利益を意識した歯科医療ではなく、患者様の為の歯科医療を

 

という想いをもってらしゃったそうです。
利益を重視して、効率的に保険点数を稼ぐ歯科医療ではなく、患者様の為の歯科医療を実践されてました。

 

ここでの経験から、渡辺青年は、「保険制度」に疑問を持つようになりました。

 

当時、歯科医療の現場にも治療に関するエビデンスが求められるようになってきていました。
同時に、日本では保険制度に縛られて、海外では当たり前に行われている施術ができない。
より良い治療ができないという事実に忸怩たる想いを抱いてらっしゃいました。

 

保険点数に縛られずに、本当に患者様の為の歯科医療を実践するにはどうすれば良いか。

 

歯科医の面白味を知り、臨床の楽しさに目覚めた渡辺青年は様々な勉強会に出席して猛烈に勉強を始めます。

 

自由診療への道

 

 

大学院の卒業時期を迎え、就職活動を開始した渡辺青年。

 

就職してからも、勉強を続けたい。

 

との想いを持ってらっしゃいました。
しかし、就職してからも勉強を続けるためには、

 

毎月のように土日に上京しなければいけない。
歯科医院は土曜日が書き入れ時だから、土曜日に休みをもらう事は難しい。

 

という高いハードルを越えなければなりませんでした。

 

「勉強会の出席に理解がある歯科医院」という条件で就職先を探していた時に、「宮崎県」の歯科医院の事を知ります。

 

この歯科医院は、勉強会の出席に理解があったのと、将来自身が地方都市に開業する際の参考になると考え勤務医として就職します。

 

そこまでして学んできた渡辺青年は、2009年に独立してご自身の歯科医院を立ち上げられます。

このときから「自由診療」に特化した診療を提供し、2014年には保険医療機関指定を辞退し、完全に自由診療専門のクリニックとなりました。

 

ノアデンタルクリニックが目指しているのは、

 

一人の患者さんに対して時間をかけてじっくりと向き合い、保険診療の制約にとらわれず自分が「まっとう」だと考える歯科医療を提供すること。

 

 

「まっとう」な歯科医療を貫く為に

 

 

渡辺院長は、ご自身が考える「まっとう」な歯科医療を提供する為に、「自由診療」の道を選択されました。

 

しかし、「予防歯科」として「自由診療」を貫く為には、ノアデンタルクリニックとしての特色を打ち出す必要があります。

 

つまり、他の歯科医との「差別化」です。

 

この差別化を実現する為には、設備投資が必要だと考えた渡辺院長は、「ものづくり補助金」の活用を思いつきます。

 

平成26年度補正ものづくり補助金では、

 

歯科衛生士によるマイクロスコープを活用した革新的な歯肉縁下クリーニングサービスの展開

 

を目指しました。

 

<課題>
医療費削減を求める社会情勢からも自費でなおかつ実際に効果の高い予防歯科を普及し定着させて行く必要がある。
しかし、歯肉縁下チェック及びクリーニングにおいて患者様へのわかりやすい説明を行うことができず、結果として誰の目から見ても明らかな差別化がはかれていない。

 

<解決策>
自費でなおかつ実際に効果の高い予防歯科を普及し定着させて行くために、歯科用マイクロスコープを導入する。
歯科衛生士によるマイクロスコープ下の歯肉縁下チェック及びクリーニングを革新的なメニューとして展開することにより、画像や映像での説明が実現し、誰の目から見ても明らかな差別化をはかる。

ノアデンタルクリニックは、「患者様のための歯科医療」を目指されています。

 

その為には、「予防歯科」の普及・定着を実現させなければなりません。

 

導入したマイクロスコープ

導入したマイクロスコープ

導入した設備を使用して施術中

 

 

この設備により、下記のような動画を患者様にご覧頂く事が可能となりました。

 

19秒あたりを、是非、ご覧下さい。

 

硬くて石の様な歯石が歯周ポケットから出てくる様子を実際にお見せすることで歯周治療の大切さを理解して頂けますし、定期的なメインテナンスの重要性を理解して頂けます。

 

私もこの動画を拝見した時は、ビックリしました。

自分の歯にも同じような歯石がこびりついているのではないかと。。。

 

徐々に浸透

 

 

ものづくり補助金で導入された設備は、2016年10月から稼働を開始。

 

患者様に術前・術後の静止画や動画を大画面でご覧頂く事により、満足度を高める事に成功しました。

ノアデンタルクリニックでは、設備を導入した事で価格を上げるのではなく、顧客満足度を上げる事によって、リピーター化や口コミによる効果を狙われました。

 

この効果はコロナ渦の中、ノアデンタルクリニックでは順調に売上が伸びている事からも証明されていると思います。

 

あえてイバラの道を進まれているノアデンタリクリニック。

日本の「歯科医療」の最先端を歩まれています。

最後に。
お忙しい中、取材にご協力頂きました渡辺院長。
本当に、ありがとうございます。

 

 

 

 

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