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意外と知らない「真空成型」活用の可能性((株)丸三)

今回のイチオシ事例は、金型作成から量産まで全て自社生産という特徴を持つ、

 

真空成型トレー・パッケージの「株式会社 丸三」さんです。

 

 

 

営業部の三輪恭平さんに、支援専門員の小寺弘剛が取材させて頂きました。

 

 

 

三輪さん曰く「幾度かの展示会出展を経て、BtoBのトレー・パッケージはもちろんのこと、

 

真空成型を活用したBtoC商品の設計開発・量産にも携わることができた。

 

来訪いただいたお客さんの中には真空成型で出来ることをしっかりと理解している人が少なく、

 

きちんと理解してもらうことで活用の幅が広がる可能性を感じた。」とのことであり、

 

今回はその可能性について深堀しました。

 

 

 

 

当社概要

株式会社 丸三さんは、70年の歴史と共に地域に支えられ、

 

北は北海道・南は鹿児島まで全国各地のお客様との信頼を築きながら、

 

進化を続けています。

 

 

主なお仕事は、真空成型を用いた樹脂トレー、

 

樹脂パッケージの設計・製造です。

 

 

足元ではマシニングセンターや3Dプリンター、

 

3Dスキャナーの導入により、設計精度のアップと、

 

リバースエンジニアリングなど事業の幅を広げています。

 

 

トレーにおいては、様々な『機能』を提案・付加することで、

 

お客様のニーズに対応しています。

 

 

効率や機能を求められる自動化・搬送用、

 

意匠性の高い洋菓子用まで、用途は多種多様にわたります。

 

 

スライドは、ハサミや文具などのパッケージとして用いられています。

 

 

同じくパッケージの一種であるクラムシェルは、

 

ブリスターに商品を挟む形状となっています。

 

表と裏、両方からの商品が見せられることがメリットです。

 

 

<製品例(トレー)>

 

<製品例(スライド、クラムシェル)>

 

<製品例(食品トレー)>

 

当社の強み

株式会社 丸三さんが行っている真空成型は、

 

プラスチックシートを加熱軟化させた後に、

 

型とシートとの隙間を真空(減圧)状態にすることで、成型する技術です。

 

 

 

プラスチックの厚さや加工後の精度には、一定の制限があるものの、

 

射出成型と比較し、価格や納期面で圧倒的に有利です。

 

 

 

特に、射出成型と比べ、金型が安価であり、小回りが利きます。

 

そのため、設計の自由度が高く、小ロット対応や試作対応、

 

細かな修正にも、素早く対応できます。

 

 

<真空成形のイメージ図>

 

真空成型を行っている同業他社の中でも、

 

当社を特長づけている強みが「提案力」です。

 

 

3D CADで設計を行うのは単なる設計者ではありません。

 

多能工化を進め、営業担当者や製造担当者が、設計も行うことで、

 

客先のニーズや自社技術をしっかりと理解した上で、

 

最適な設計提案を行うことができています。

 

 

また、「Idea 考える」「Challenge 挑戦」「Trust 信頼」

 

という経営理念のもと、顧客のために考え、

 

挑戦を忘れない斬新な提案を行う能力を培ってきました。

 

 

そんな提案力を生かして、コスト削減・効率アップはもちろんのこと、

 

下記のような新たな挑戦に携わってきました。

 

 

・工場の完全自動化プロジェクトに参画

 

・今迄にない斬新な工業用トレーを提案

 

・他とは違う目を惹くパッケージの作成

 

・業界初の真空成型を活用した商品の設計

 

 

顧客の要望や使用意図を細かく確認しながら、

 

丁寧に付加価値を高める提案および商品設計を行っています。

 

 

 

補助事業の取り組み

コストや納期面で優れる真空成型ですが、デメリットもあります。

 

 

それは、フィルム厚が均等にならないこと、そして、精度です。

 

例えば、厚物で深さのあるトレー・極端なアンダーカット形状などで、

 

対応できない受注もありました。

 

 

平成25年度補正ものづくり補助金では、

 

真空圧空成型の技術開発を行いました。

 

真空圧空成型は、成型時に圧縮空気を加えて行う成型法です。

 

 

 

<真空成型と真空圧空成型の違い(④の工程)>

 

 

<平成25年度補助金導入設備(真空圧空成型機)>

 

 

補助事業の成果

真空圧空成型の実現により、取り組み前は、厚物の場合、

 

底面の厚みが確保できず強度不足となっていましたが、

 

厚物のフィルム加工にも対応できるようになりました。

 

 

加工精度の面でも、金型再現率が大幅に向上しました。

 

 

これらにより、深い形状やエッジの効いた形状などの受注にも対応できるようになりました。

 

 

<補助事業の取り組みにより実現できた製品例>

 

最近の動向

(株)丸三さんでは、近年、

 

真空成型品の新たな活用方法の提案にも力を入れています。

 

 

企業案件の為、詳細は開示できませんが、

 

形状を活かした新たな取り組みが各企業さんにて始まっています。

 

取引先様から「~をしたいのだけれど、できるかな?」という相談を受けることもあれば、

 

相手の業界を見て「~を開発してみては面白いのでは?」という提案を行うこともあるようです。

 

 

工業用トレーにおいては、製造現場の自動化・ロボット化で需要が増加しており、

 

ダイカストやインジェクションでは、コストの合わない

 

下記のような小ロットでの受注も受けています。

 

 

・機械に設置する設備の1つとして

 

・工程の1つに取り入れる事で効率化する為の治具として

 

 

 

また、エコ原料での成型品も注目を集めています。

 

バイオマス、生分解など日々、新しいエコ原料が開発されています。

 

㈱丸三さんでは、常に情報収集を欠かさず、

 

新しい原料ができたら真っ先に試験を行い、

 

常に客先ニーズに対応できるよう技術研鑽を続けています。

 

<バイオマス、生分解などエコ原料を用いた製品例>

 

 

その他、3Dプリンター、3Dスキャナーなどを活用して、

 

製品ができあがる前からの提案も行っています。

 

<3Dプリンターを用いた設計提案>

 

 

 

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